2022年2月13日 15:10
強さというのは外に対して発するものではなく、自分の内に向けるもの
私の夜泣きがひどいのは自分のせいではないか。
「未熟なママでごめんなさいね」「どうしたら泣きやむのか。どこか痛いの?わかってあげられなくて悲しい」自分を責めるような言葉に、母のさまざまな思いがこもっているようで胸がいっぱいになります。
初めての子育てに戸惑っている様子が綴られていますが、母は実に強い人でした。母が大学2年生の時、癌の手術、治療をするために九州から東京に出てきた祖父をひとりで看病しました。
そして余命幾ばくもない祖父はどうしても九州に帰ることを希望し、寝台列車でつれて帰ることになったのです。
母は医師に同行をお願いし、停車駅ごとに交代の医師に待機してもらいました。どうしてこんなことを思いついたのでしょうか。
20歳だった母の機転に感服するばかりです。
そしていよいよ祖父の状態は悪くなり、大阪で降りることになります。そのときも駅に救急車に待機してもらい、受け入れ先の病院を手配したのです。
携帯電話もない時代に、どうしてそんなことができたのか。おそらく車掌さんに頼んで連絡をとってもらったのだと思います。
祖父は大阪で亡くなりました。荼毘に付し、遺骨を抱いて祖父が観たがっていた歌舞伎を観て、九州に連れ帰ったのです。