【『ファイトソング』感想9話】越冬して再び咲く花のように・ネタバレあり
慎吾は、養護施設の後輩たちの働く場を作りたいと小さな清掃業の会社を起業して切り盛りしている。きっと楽しいことより苦労がずっと多いだろうけれども、行き届いた良い仕事をするんだろうなと思った。
春樹とはもう会わないつもりで暮らしていた花枝だが、今回のラストで、『ひょん』なきっかけで花枝の消息を探り当てた春樹とばったり会うことになってしまう。
既に自分の障がいを春樹が知っていると気づいた花枝は、思わずその場を逃げ出す。もう枯れて終わった想いなら、生傷が開いたみたいにうろたえて全力で走って逃げないだろう。
思い出のぬいぐるみは、まだ押し入れの片隅ではなく、彼女の日常の手元にある。
かつて二人で探した恋の要素、『ひょん』なスタートと『心が動く瞬間』はもう既に揃っている。別れはもう、一度だけでいいから、どうか『幸せすぎ』まで二人がたどり着けるといいなと願う。
しかし自立を尊び哀れみをよしとしない女と、言葉が足りない上に、最大の長所である歌という切り札を切れない男のコミュニケーションは果たしてかみ合うのだろうか。
不憫と切なさが大渋滞するラブストーリー。次回、ついに最終回である。
ドラマコラムの一覧はこちら
[文・構成/grape編集部]
かな
Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。
⇒ かなさんのコラムはこちら