くらし情報『花を飾る それは日常を彩り、心の世界を彩り、人生を彩る贈りもの』

2022年3月27日 10:00

花を飾る それは日常を彩り、心の世界を彩り、人生を彩る贈りもの

黄色いバラが出ると、一輪だけ求めます。黄色いバラには、小学生の頃に習っていた英語の先生との思い出があります。

レッスンの中で、「何の花が好きですか?」と英語で質問したところ、先生は黄色のバラが好きと。先生は1930年代にアメリカの大学に留学され、とてもモダンな方でした。

外国に憧れていた小学生の私は、先生のエレガントであたたかく、そしてハイカラな雰囲気をとても素敵に思ったものです。

花を飾る それは日常を彩り、心の世界を彩り、人生を彩る贈りもの

通い始めて1年ほど経った頃、先生は体調を崩され、そのまま帰らぬ人となってしまいました。告別式に向かう道すがら、母に亡くなった人が生き返ることはあるのか尋ねました。

母は少し考えてから「2万人にひとりくらいかしら」と、細い糸のような光を見せてくれました。
根拠のない、母の絶妙な答えです。どうか先生がその2万のひとりに入りますように。教会へ向かう電車の中で祈ったことを覚えています。

それから何年か、先生の命日にお小遣いで黄色いバラを一輪求め、お参りに伺いました。先生が旅立った年齢をとうに越しましたが、黄色いバラに先生を思い出し、あの頃の自分を思うのです。

花を飾る それは日常を彩り、心の世界を彩り、人生を彩る贈りもの

2月過ぎると、お花屋さんにアネモネが出始めます。

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