【持続可能な恋ですか? 第5話 感想】それぞれの『会いたい』 杏花と林太郎の親子が見つけたもの
林太郎は陽子との思い出にも蓋をしようとしていた。そうではないと、先に進めないと思っていたからだ。
情けなさそうに想いを話す林太郎に、明里はこう声をかける。
「歳をとった分色んな思い出があるけど、そういうの皆んな引きずって…でも時々振り返りながら歩いていけたら、それで十分じゃないですか?」
人は、沢山の重りを引き連れ、擦り減った靴でこれからの人生を歩いていかなくてはならないのだ。
大切な人を亡くした経験も、嫌な記憶もそう簡単にはなくならない。
だが、擦り減った分、同じように忘れたくない大切な記憶があるはずだ。
「今の自分たちを見たらどう思うのかな?」と、時々立ち止まって思い返しながら進んでいければいい。「会いたいと思える人と、会える今を大切にしたいと思いまして」
林太郎は思い出を引き連れながら、今一番会いたいと思える明里との第二の人生を考えることに決めた。
晴太らしい返答にグッとくる
そして晴太と杏花も会いたい人がいた。もう会う理由はないけど、どうしようもなく会いたい人が。
林太郎の決心を聞いた晴太と杏花は考えることは同じだった。二人は思い出の丘で出会う。
晴太から林太郎が元気そうだと聞いた杏花は、陽子が亡くなった頃の辛そうな林太郎のことを思い出していた。