【持続可能な恋ですか? 第5話 感想】それぞれの『会いたい』 杏花と林太郎の親子が見つけたもの
そして、自分のことも。
杏花は父を生き返らせ、生活を守らなくてはならない、そんな使命だけで必死に生きていた。強がる杏花に晴太は言う。
「でも、杏花さんだって辛かったでしょ?」
愛していた父の方が悲しんでいるはずだからと、娘としての辛い気持ちに蓋をしてきた。
杏花は今まで誰にも弱音を吐くことはなかったのだ。晴太の言葉を聞いて、長く堪えてきた涙が杏花の頬をつたう。
「もう一度でいいから、会いたい」
晴太は杏花の背中をさする。
そんな自分に寄り添ってくれる大切な晴太と向き合いたいという思いが杏花の中で込み上がっていた。
「会いたい、これからも会いたいです」
「このままだと愚痴ばかりのおばあちゃんになっちゃう」というのは、「会いたい」と伝えなかったことを後悔したくないという気持ちなのだろう。会いたいに理由なんか必要ないのだ。
そして、泣き顔は見られたくないと言う杏花に晴太はこう返す。
「その顔を見る権利、僕にはある気がするんですけど」
見つめあった二人は夕暮れの中、キスをする。
「僕にはある」じゃなく「気がするんですけど…」といまいち締まらない弱気な感じも、なんとも晴太らしい。