【『正直不動産』第8話感想・考察】物語が生み出す正直不動産の心地よさ 人を信じるということ
永瀬は一人、悶々としていた。
なぜなら、取引相手の交渉術が、かつて嘘をついていた自分と重なったからだ。
もしかしたら、『地面師』ではないのか。永瀬の脳内に不安が過ぎる。
地面師とは土地の所有者になりすまして売却をもちかけ、多額の代金をだまし取る詐欺師のこと。
そこで永瀬は信頼できる元同僚・桐山(市原隼人)に相談をすることに。
桐山は、相変わらずの素っ気なさだったが、自分は過去にその相手と交渉をしたが、すぐに手を引いたと言っていた。
理由は「似合わないスーツを着た人と仕事をしたくない」から。
「スーツに着られている」なんてことを時々言うが、今回の取引相手は、思い返せばサイズの合っていないスーツを着用していた。
普段からスーツを着ている人なら、自分に合うサイズや身の丈にあったブランドに精通していくだろう。
この状況において、桐山の判断は正しいのだと悟った。ブカブカのスーツはおそらく取り急ぎで用意したのではないか。
もしそうでなかったとしても、桐山の言葉を聞いたビジネスマンは、身だしなみで取引が判断されるという事実を痛感させられたであろう。
あなたも良い取引をしたければ、身だしなみは整えよう。