2022年6月26日 11:22
「信じる」ということ 言葉と心のつながりを大切にすると、心に映る風景が変わっていく
吉元由美の『ひと・もの・こと』
作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。
たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。
「信じる」という言葉に思う
歌詞を書くとき、どうしても多く使う言葉があります。書くときには、もちろんその言葉がふさわしいと思うから使います。
「愛してる」「信じてる」、そう書くときは心からその言葉を思います。
音楽大学の授業で作詞について教えていく中で、その言葉の重みに気づき考え込んでしまうことがありました。
「信じてる」「信じる」とは、実はとんでもないことなのではないか。人は、そう簡単に何かを「信じる」ことは出来ないのではないか。
「明日を信じる」
「未来を信じて」
「自分を信じる」
「あなたを信じてる」
1時間後に死んでいるかもしれないのに、なぜ明日を信じられるのか。自分を信じる?思わぬ出来事に感情が翻弄されてしまい、不安定になる自分を信じられるのか。