【『ファーストペンギン!』感想6話】孤独でも走るんだ!・ネタバレあり
そこで従来暮らしている人たちがいて、彼らには彼らの暮らしが続く以上、そう安易に外から来て問題解決なんかしないし、めでたしめでたしにはならないと淡々と言われているようだ。
そんな船団丸の苦境に対し、和佳は表向きテレビで嫌がらせを告発するとアピールしつつ、最終的には矛を収めて漁協や他の漁師達との衝突を避ける。
威嚇は功を奏して、ひどい嫌がらせはだんだんと収まり、船団丸には平穏が戻ってくるものの、テレビ出演を見ても永沢の恋人の気持ちは変わらず、永沢は船団丸からの退職を決意する。
永沢が最後に漁師の仕事と船団丸への愛着を和佳に語りかける言葉は、誠実だけれども過去形で語られていて、その真摯さの分だけ余計に切なさが募った。
地方の一次産業の場には、都会では得がたい素晴らしさが沢山あるけれども、その長所の表裏で、若い世代が家庭を営むにあたって選びづらい理由も同じくらいある。
和佳にとって最初の理解者である永沢の退場とともに、そんなほろ苦さが残る回だった。
しかし、和佳が永沢との縁をそれっきりに捉えずに、いつか家族で戻ってきてほしいと訴えかける言葉に光明がある。
「わたしは、ずっとここにいるからね。