【『ファーストペンギン!』感想9話】夜明けはもうすぐだ!・ネタバレあり
Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。
2022年10月スタートのテレビドラマ『ファーストペンギン!』(日本テレビ系)の見どころを連載していきます。
かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。
これはもう、意図的なさじ加減で地味目にしてるんだろうなと、最終回を前にした9話で思った。
もっと派手に事件が起きて、もっとヒロインにキラキラした恋愛要素を盛り込んで、いつもすっきり勧善懲悪に解決したら、フィクションとして面白く見えるのかもしれない。
でも、今現実にある問題と結びつけて、見た人々の記憶に少しでもそれを残すのに、地に足の着いた感触は必須なのだろう。
9話まで見てきた『ファーストペンギン!』(日本テレビ系水曜22時)を、一言で表すならば『誠実なドラマ』だと思う。
身体の弱い一人息子を連れ、食い詰めたシングルマザーの岩崎和佳(奈緒)がやってきたのは山口県のとある漁村、汐ヶ崎。
そこで出会った漁師の片岡洋(堤真一)や、さんし船団丸の面々と混獲魚の直販事業『お魚ボックス』を始めて会社を立ち上げたものの、従来の販路から外れた販売のため地元の漁協とのトラブルが絶えない。