【『ファーストペンギン!』感想9話】夜明けはもうすぐだ!・ネタバレあり
これまで販売事業とは無縁だった漁師たちの仕事もミスだらけ、次々と苦難は襲いかかるが、一歩一歩階段を上るように和佳は協力者や理解者を増やし、自らも漁師もスキルアップしてボックス事業はようやく軌道に乗る。
ところが好事魔多し、さんし船団丸は事故で網を失い、約1千万円の修理費と同時に金融機関の貸しはがしに遭う。
必死の思いで頼った経営コンサルタント波佐間(小西遼生)の提案により、大手の食品流通会社から多額の融資を受け危機を切り抜けるが、波佐間の介入を嫌う片岡は浜から出て行ってしまう。
さらにその融資元の会社は外国資本で、このままでは浜そのものが事実上の乗っ取りにあう可能性を知った和佳は愕然とする。
今回、地方の浜が経済上外国資本に乗っ取られるということが、国防の危機の可能性に繋がることまで言及したことに、そこまで踏み込むかと驚いた。ここまでに漁協という組織の保守性や、漁業の現状とミスマッチが生じている問題点を丁寧に描いてきたが、その保守性や継続性にも役割があり、安易に切り落とすように取り除いてはならないものだと明かされる。
一方で外資と知らずとも外部の資金に縋らされるをえないほどに、さんし船団丸を追い詰めたのも漁協を中心とする保守勢力である。