娘が『僕』と呼ぶことが気になった大使 注意をやめた理由に「素敵!」
一人称を何にするかは、人によって異なっています。
男性であれば『俺』『僕』、女性であれば『私』など、自分にとってしっくりくるものを使うのが一般的とされてきました。
ジョージア大使が娘の一人称を矯正しようとするも?
日本国内にあるジョージア大使館で働いている、ティムラズ・レジャバさんは、娘さんが日頃から使っている一人称が気になっていました。
保育園に通っているという幼い娘さんは、日々日本語を学んでいます。
レジャバさんはその中で、娘さんが一人称を『僕』としていることに、気付きました。
娘さんが、主に男の子が使う『僕』を一人称とすることに、違和感を抱いていたレジャバさん。
『私』と使うようにうながしましたが、娘さんは変わらずに『僕』と呼んでいたといいます。
自然に『僕』と使う娘さんを見て、レジャバさんは考え方を変えました。
子供に、私たちが完全に理解しきっている訳でもない『僕=男性』という理屈を強制的に押し付けて、成長の最盛期に変な妨げを起こしたくない。
近年、人々の個性や多様性を受け入れる風潮が強まっています。
性別というカテゴリーに収まらず、自由に生きる考え方への理解が進んでいるのです。
レジャバさんは、娘さんが使う『僕』を強制的に止めることで、今後の生き方や価値観に影響が出かねないと考えたのでしょう。
「例は示しつつも、自分の娘の感覚に言葉遣いの自由を委ねたい」と、レジャバさんは我が子の意思を尊重することにしたようです。
長女は毎日のように、保育所から新しい言葉(日本語)を覚えてきては、それに日々喜びを感じる私です。
その中で、一人称として「ぼく」を使うようになっています。一度や二度は「わたし」に切り返すように促しましたが、なおりません。そのことで、少しの間悩みました。しかし、娘はそれを至って自然— 駐日ジョージア大使 ティムラズ・レジャバ (@TeimurazLezhava) January 4, 2023
レジャバさんの考え方に対し、「素敵」「確かに『なぜダメなの?』といわれても、答えるのが難しいことがある」といったコメントが寄せられました。
専門家からの意見を参考にしつつも、「娘さんとの信頼を大切に、妻と考えていきたい」ともつづったレジャバさん。
どのような時代となっても、我が子の意思を尊重する大切さに、気付かされますね。
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長女は毎日のように、保育所から新しい言葉(日本語)を覚えてきては、それに日々喜びを感じる私です。
その中で、一人称として「ぼく」を使うようになっています。一度や二度は「わたし」に切り返すように促しましたが、なおりません。そのことで、少しの間悩みました。しかし、娘はそれを至って自然— 駐日ジョージア大使 ティムラズ・レジャバ (@TeimurazLezhava) January 4, 2023
に使う様子から、私はたちまち注意するのはやめました。考えてみると、子供に私たちが完全に理解しきっている訳でもない理屈(「僕」=男性)を、強制的に押し付けて、成長の最盛期にへんな妨げを起こしたくないと思いました。例は示しつつも、自分の娘の感覚に、言葉遣いの自由を委ねたいと思います。
— 駐日ジョージア大使 ティムラズ・レジャバ (@TeimurazLezhava) January 4, 2023
もちろん、専門家から何か良いアドバイスがあれば、しっかりと参考にしたいと思います。
— 駐日ジョージア大使 ティムラズ・レジャバ (@TeimurazLezhava) January 4, 2023
その上で、完全なる正解があるわけではないと考える子育てを、どのようにしていくかは自分で判断します。そして、何より娘との間の信頼を大切に、妻と二人三脚でそれを運用していきます。
「僕」や「私」だっていつか誰かが作った言葉です。私は娘が生涯の中でその都度、感覚的に一番肌に合う表現を使ってもらいたいと思います。
— 駐日ジョージア大使 ティムラズ・レジャバ (@TeimurazLezhava) January 5, 2023
[文・構成/grape編集部]