「湯湯婆」。この漢字はなんと読むでしょう。おそらく、スタジオジブリのアニメ映画『千と千尋の神隠し』に登場する玉ねぎ頭の魔女「ゆばーば」を思い浮かべた人が多いのではないでしょうか。
一度そう読んでしまったら、それ以外考えられなくなってしまいますよね。ほかにも「ゆゆばあ」「たんたんばあ」などが思い浮かびますが、残念ながらどれも不正解です。
なぜそう読む答えは「ゆたんぽ」
そもそも、湯たんぽは室町時代ごろに中国から伝わってきたもの。かなり古くから使われている暖房器具です。
「湯婆(たんぽ)」は唐音読みで、「婆」は妻や母親を指します。妻や母のあたたかい体温を感じながら寝るように心地よいこと、また湯をいれた容器を抱いて寝ることからついた呼称なのだそう。
本来は「たんぽ」のみでも意味を成しますが、日本では意味が通じにくかったことから、湯がつけられて重複するかたちとなり「湯湯婆」になったといいます。
人のぬくもりのようなあたたかさ。そんな意味が込められていたのですね。
ちなみに語源には、湯婆をタンタンと叩いたときの音に由来する説も。
しかし、これは日本語が起源だという仮定をもとに考えられたもので、実際は関係がないといわれています。