2023年2月27日 12:24
父親に「トイレくらいちゃんと閉めなよ」という娘 母親の『ひと言』に、ハッとする
2022年6~8月に開催された、エッセイコンテスト『第6回 grape Award』。
メディア『grape』のコンセプトである『心に響く』というテーマを軸に、身の回りであった心温まるエピソードや、心が癒される体験談など、作品を見た人が強く共感するようなエッセイを募集しました。
寄せられた643本もの応募作品の中から、最優秀賞が1作品、タカラレーベン賞が1作品、優秀賞が2作品、選ばれています。
今回は、応募作品の中から優秀賞に選ばれた『十年越しの答え合わせ』をご紹介します。
「キモイ」「うるさい」
学校や社会では、いじめになる言葉が案外家庭では使われるものだ。思春期の子どもが親に使う言葉のなかには、家族という関係に甘んじた鋭利な言葉も多くみられる。
よくもまあ、自分を育ててくれた人にそんなことが言えたものだが、そう思えるようになったのもここ数年のことだ。
中高生の頃の私は、理由もなく父親が嫌だった。
小学生の頃のように、自分と関わろうとしてくる父親に、毎日「キモイ」「臭い」「うるさい」の言葉を目も見ずに吐いていた。
父親が用を足す時、ドアを少し開けているだけで当時の私はたまらなく不快になり、ドアを思いきり閉めたものだ。