【『大奥』感想5話】福士蒼汰と堀田真由が演じきった満身創痍の愛の帰結
Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。
2023年1月スタートのテレビドラマ『大奥』(NHK)の見どころを連載していきます。
かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。
名を奪われた女(家光)と、望む未来を捨ててその女に寄り添った男(有功)。
互いに小さな焚火のような尊厳を守りあい、愛し合った男女に死別のときが訪れた。
ともに太平の世を守るために苦悶の人生を耐えて生きたけれども、世代がぐるりと回った時、そうして守りたかったものの記憶は自身の子孫でも、社会でも薄れていく。
史実から考えると、およそ30年強。
価値観が変わっていくのにその時間は長いか短いか。
でも思えば、私たちも親や祖父母の語る苦労でさえ、どこかふわふわと実感を伴わないものだ。
江戸、太平の華やかな時代に、漂うように退廃をまとわせて現れた将軍・綱吉(仲里依紗)の姿にそんなことを思う。
ドラマ『大奥』のオリジナルのシーンも
男子だけが罹る伝染病で、人口の男女比が不均衡になった架空の江戸時代。三代将軍家光を伝染病で失った春日局(斉藤由貴)