平和教材の『はだしのゲン』削除に抗議の声 「それでいいのか」「信じられない」
日本は、実戦による唯一の被爆国。
第二次世界大戦中の1945年に広島県と長崎県に原子爆弾(以下、原爆)が投下され、多くの人が命を奪われました。
「戦争や原爆の恐ろしさを忘れてはならない」という想いから、終戦からおよそ77年が経過した2023年現在も、経験者の残した話や作品によって語り継がれています。
『はだしのゲン』が広島の『平和教育プログラム』から削除に
広島県広島市出身である漫画家の中沢啓治さんが、自身の被爆体験を元に描いた漫画『はだしのゲン』。
同年2月17日、広島県広島市立の小中高校が取り組む『平和教育プログラム』の教材から、『はだしのゲン』の掲載がなくなることが分かりました。
故・中沢啓治さん
産経ニュースによると、同作が教材から削除されるのは、市教育委員会が「漫画の場面だけでは被爆の実相に迫りにくい」と判断したためとのことです。
市教育委員会は、今回の変更について「継承と発信を大事にし、よりよい教材にするために改訂した。『はだしのゲン』を遠ざけるつもりはない」とコメント。
令和5年度からの新教材では、原爆で家族を失った女性と、その体験を語り継ぐ娘について取り上げるといいます。