【『大奥』感想7話】仲里依紗、山本耕史、倉科カナ 重厚な演技が紡ぎ出す人生の幸福への問い
Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。
2023年1月スタートのテレビドラマ『大奥』(NHK)の見どころを連載していきます。
かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。
溺れかけては浮きを繰り返す苦しい一生だとしても、女将軍は幸せだったのだと願いたい。
若さの怖いもの知らずで、努力すれば何もかも手に入れられると思っていた人生が、懸命に生きて中年期に入って振り返れば、家庭も仕事も人望も、願っていたものの多くは手のひらからこぼれ落ちていた。
自身の身体の衰えに直面しながら、目の前には更に衰えて暮らしのおぼつかない親がいる。
これは誰の人生か。綱吉(仲里依紗)と名乗った女だけではない、誰の身にもおぼえのある、私たちの人生ではないのか。
ドラマ『大奥』を盛り上げる役者陣
圧巻の綱吉編の完結だった。
まずは性的なシーンの描き方も含め、あらゆる点で映像表現が難しかったであろうこの章を、原作のエッセンスを汲み上げ、華麗な映像として完成させた俳優陣と制作に惜しみなく拍手を贈りたい。
幼少期の回想から続いて綱吉が「月のものなど、もうとうに来ておらぬわ」