【『ラストマン』感想7話】福山雅治、大泉洋、永瀬廉…男たちの想いがほろ苦い
だと判明する。
その高齢男性には40歳近く年の離れた美しい妻・亜理紗(岡本多緒)がおり、いわゆる『後妻業の女』として殺人の疑いが濃厚にかかっていた。
しかし亜理紗に直接会って話をした皆実は、亜理紗に好意を抱き、呆れる心太朗や捜査一課の面々をよそに彼女は犯人ではないと断言する。
今回、視聴者待望の皆実の離婚した妻、デボラジーン・ホンゴウが登場である。演じているのは木村多江。
しなやかで風が通り抜けるように明朗だが、言動の端々に深い知性を感じさせる女性を好演している。
印象的なのは、デボラが皆実に自身のグラスにワインを注ぐように音で催促するシーン。
彼女にとって、皆実は庇護や介護の対象ではなく、何をどこまで出来るのかを知り尽くした、心許せる相手として接していると分かる場面だった。事件解決後のバーのシーン、皆実はデボラに「君は同情ではなく、愛情で私と結婚してくれました」と感謝をもって語りかける。
この二人の信頼の間には、もう関係性の肩書きはいらないのだろう。
それは同時に『同情でなくて愛情』、それが皆実広見という人物にとってどれだけ希有で大切なものだったか透けて見えるようで、少し切なかった。