【『ラストマン』感想9話】福山雅治と大泉洋、鉄板のバディがたどり着く先
Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。
2023年4月スタートのテレビドラマ『ラストマン』(TBS系)の見どころを連載していきます。
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ドラマの最終盤になって、改めて思う。
もしも護道心太朗(大泉洋)が、警察官僚を代々輩出している名門の人間であることを強く意識していて、自身のキャリアにこだわっている男なら、皆実広見(福山雅治)にとっての「シンディー」たりえただろうか。
皆実が、心太朗を命を預けるに足るバディだと確信したのはいつだろう。
デボラ(木村多江)に心太朗の人となりを内偵してもらった時か、それとも蕎麦をすすっているときに不機嫌な『人材交流企画室室長』がやってきた時か、それとも爆弾犯を逮捕して初めて信頼の糸がつながった時か。
護道泉(永瀬廉)に、心太朗の気持ちを考えて、「ひとりで41年前の事件を捜査します」と言った皆実の言葉に嘘はなかっただろうし、「あなたに私の目になって共に過去の事件を追ってほしい」と告げた言葉も本心だろう。
遠い故郷で出会った、渋い顔ばかりしているバディを傷つけたくないという気持ちと、共に戦いたいという願いの間で、不屈の全盲の男もまた、迷ったのだと思う。