【『ラストマン』感想 最終話】福山雅治と大泉洋、2人の人たらしの越境と回帰
2話、盲目の兄が薄暗いホテルの部屋で肉じゃがを煮ていた時、偶然に弟が魚を持って訪ねてきた。それは、義父から釣った魚を持たされたからだった。
幸せを信じる手がかりは、幾つかの偶然の連なりがもたらした。
繰り返し連なり、重なり合うカノンの音色のように。
それにしても、涙で湿った視聴者の頬を皆実の『ではまた来週』の一発で笑わせて乾かす最後のオチまでつくづく見事だった。
今作恒例のラストにタイトルが出たあとの一言、最終回は先に皆実の言葉を撮り、対する心太朗の返答は別撮りで、大泉のアドリブだったとのこと。
ものまね混じりのぼやきが、まさに大泉洋の真骨頂である。
人たらしの男に散々振り回されつつも、尽きぬ親愛がにじみ出た、護道心太朗の言葉であり大泉洋本人の言葉でもある。
いつもにこやかな皆実広見も人たらしだが、日々渋い顔でぼやきながら、それが愛おしい護道心太朗もまた、同じくらい人たらしだと思う。
こんな素敵なバディを短期間で解散させてしまうなんて勿体ない。
視聴者も思っているし、きっとデボラも、エージェントの彼女もそう思っているだろう。また会える日を楽しみにしている。
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[文・構成/grape編集部]
かな
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