【『VIVANT』感想2話】堺雅人が演じ分ける人格の揺れが魅せるスリル
と、彼らの怪我を手当てした医師の柚木薫(二階堂ふみ)の三人でテロリストとしてバルカ警察に追われることになってしまう。
何とか日本大使館に駆け込んだものの、安心したのも束の間、バルカ警察に包囲された大使館を抜け出して日本へ戻るための苦闘が始まる。

やはり今回の白眉は、タイトルの『VIVANT』の意味が一つ明らかになったことだろう。
バルカの言語で『BEPPAN』という表記が「ヴィパァン」、転じて「ヴィヴァン」に聞こえる、つまり『別班』という日本語ではないかと野崎は推理する。
別班という単語が出た瞬間、スッと無表情になる野崎とその部下の新庄(竜星涼)の様子が印象深い。
常に余裕のある野崎、穏和な雰囲気の新庄の二人をもってしても、構えてしまう程の何かを引き当てているということなのだろう。

後に野崎の口から『別班』とは自衛隊内の秘密組織で、非合法にスパイ活動をしているエリート諜報員の組織だと語られる。
実際にそういった組織の有無は都市伝説のように語られることもあり、「なるほど今作、そう来たか」と唸った。
野崎は乃木のようなおっとりした男が別班であるはずがないと笑い飛ばすものの、それが真意かどうかは分からない。