【『VIVANT』感想7話】堺雅人、二階堂ふみ、阿部寛 真実と愛情の狭間を演じきる妙技
別班としての命がけの作戦を前に、乃木は手術後のジャミーン(ナンディン-エルデネ・ホンゴルズラ)を見舞い、愛する柚木薫(二階堂ふみ)と一時の逢瀬を果たす。
それは切なくも微笑ましいシーンなのだが、どこかしら不可解さも見え隠れする。
大切な恋人の姿を手元に残したい気持ちは理解出来る一方で、なぜ唐突に目玉焼きを焼いている横顔を撮るのか引っかかりが残る。
さらに穿った目で見れば、「抱きしめてもいいですか」と尋ね、乃木が薫を抱きしめた時も、キスの後に初めてなんですとしみじみ呟いた時も、それは初めての恋に感極まった男の表情といえばそうなのだが、微妙な間はまるで何かに気づいてしまった表情にも見える。
それでもジャミーンと薫は、国家が家族だと思いながら任務を遂行してきた乃木にとって、初めて具体的に守りたいと願った対象であり、帰る場所でもある。見え隠れしている薫に関する疑念が、どうかミスリードで杞憂であってほしいと願う。
そして今回、これまでは名前も明かされず、登場場面も少なかったノゴーン・ベキの息子、ノコル(二宮和也)が本格的に登場する。
取引に出発する前、「何があってもノコルに犯罪歴をつけさせるな」