【下剋上球児 第3話・ネタバレあり】賀門と南雲の関係性はまるで… 節々から感じるサスペンス要素
ここまで真摯に生徒個人を見てくれている教師はなかなかいない。こんなにも理想的な先生なのに…南雲には教師の免許がないのだ。
そう、いつの間にか視聴している私達も山住と同じ重い課題を与えられているのである。
南雲が生徒思いのいい先生であればあるほど、彼が犯罪者であるという重い現実が頭の中によぎる。
それでも生徒たちが南雲の不在に不安になる姿を見ると、部活に行ってあげて欲しいと思う。
南雲の誠実さを見れば見るほど、自分の中の倫理観とせめぎあいになってしまう。
底辺公立高校が、ごく普通の教師とともに、努力と試練の末に野球強豪校を破って甲子園に行くという爽快な王道ストーリーだと思っていた。
だが、このドラマが私達に突きつけてきたのは、一人の人間が背負った罪と、罪を背負った人間とどう向き合うかという物語だった。
そこで山住は南雲の共犯者になることを選択した。野球と部活をすべてに優先させる彼女らしい選択だろう。
一方、賀門(松平健)は学生時代の南雲を知る男(渋江譲二)から、彼が落第していたことを聞かされる。
賀門はその後、南雲は大学を卒業したのだろうと気に留めてなかったが、思えば彼は最初からずっと無自覚に南雲を追い詰めているのである。