【『大奥 Season2』感想9話】和宮を演じる岸井ゆきのが放つ複雑な光
SNSを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。
2023年10月スタートのテレビドラマ『大奥 Season2』(NHK)の見どころを連載していきます。
かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。
異質な存在に触れるとき、人の本質が垣間見えるのだとしたら、若くして将軍になった彼女は、真っ先に相手の身体そのものを案じた。
得体のしれない相手だとしても寒いのはいけないと上着を差し出して、その次に出た言葉は、裸を他人に見られたのは苦痛であったろうといういたわりだった。
血筋と願いを世代を超えて繋いでいくことがNHKドラマ10『大奥』の縦糸ならば、人の上に立つ器とはどのようなものかは、横糸に違いない。
様々な女将軍たちが、希望と苦悩を抱えながら世代を繋いだ物語の中で、最後の『女』である将軍・徳川家茂(志田彩良)と、そのパートナーである和宮の物語が始まろうとしている。
※写真はイメージ
男だけがかかる伝染病で、男性の人口が極端に減った架空の江戸時代。世の中を動かしたのは女たちだった。政治を行う将軍もまた女で、大奥は将軍の夫となる男達が集められた。