鉄のフライパンで、鉄分を取れる? 専門家の回答「何の料理かによって…」
※今野暁子,及川桂子:調理中に鉄鍋から溶出する鉄量の変化.日本調理科学会誌,36(1), 39-44, 2003
上記の実験から、鉄鍋で料理したほうが鉄の摂取量は多くなると考えられるわけです。
※写真はイメージ
続けて、細見先生からは、以下のようなアドバイスがありました。
上記のとおり、鉄の調理器具は、普段の鉄分摂取を補うための『補助の手段』として利用できます。
鉄の摂取量を増やすには、食事の種類を変えるだけでなく、調理器具の種類を変えることも有効な手段というわけです。
鉄製鍋を用いることで、調理中に鉄が溶出して鉄摂取量が増加すること、また溶出された鉄は、体内に吸収されやすい二価鉄(にかてつ)の割合が多いことが明らかにされています。
ただし、鉄分を多く取るように食事を心がけても貧血症状が解消しない場合には、医療機関にかかることをおすすめします。普段の食事で鉄分摂取を心がけつつ、あくまで補助の手段として、鉄の調理器具を使ってみるといいかもしれませんね。
細見亮太
関西大学 化学生命工学部(生命・生物工学科)食品栄養化学研究室。
准教授。博士(工学)。
2011年3月 『関西大学大学院』工学研究科 博士後期課程 修了。