「させていただく」の多用に言及 俵万智の投稿に「言語化できるのは、さすが」
『言葉』は生き物のように、会話をする相手や場面によって姿を変えます。
その場にふさわしい言葉を選ぶように、意識をしている人は多いでしょう。
俵万智が『させていただく』について言及
2025年6月5日、短歌『サラダ記念日』で知られる、歌人の俵万智さんがXを更新。
ビジネスシーンでもよく見られる、『丁寧ないい回し』について、自身の考えをつづりました。
「させていただく」の使い過ぎ問題…元祖は「当選の発表は賞品の発送をもって代えさせていただきます」かな。でもこの場合は、応募者全員に当落のお知らせをしないことへの申し訳なさみたいなのが出るから、アリだと思う。会議でも、まだ全員が揃っていないような時とかは、始めさせていただく。
— 俵万智 (@tawara_machi) June 5, 2025
俵さんが投稿で取り上げたのは、『させていただくの使いすぎ問題』。
「させていただく」は「させてもらう」の謙譲語にあたる表現です。
文化庁が公開している『敬語の指針』でも、「させていただく」という表現は、状況によっては適切な表現とはいえない場合があるとされており、使用時には注意が必要でしょう。
俵さんは、『当選の発表は賞品の発送をもって代えさせていただきます』のいい回しを挙げ、「この場合は、相手への申し訳なさが出るから、アリだと思う」とコメント。
乱用には疑問を投げかけつつ、背景にある思いやりや気遣いを見逃さない視点に、俵さんらしさを感じますね。
ネット上では、さまざまな反応が寄せられました。
・使いどころが限られる言葉ですね。
・『申し訳なさ』のニュアンスを伝えるには、使い勝手がいいのよ。
・使う人が多いけど、低姿勢すぎて、違和感を覚える場面も多い。
・あまりに連発されると、クドさを感じる…。
・文章を書くと『いただく祭り』になっている自分がいるわ。
・すごく分かる。こういう感覚を言語化できるのは、さすが俵さんだ。
便利だからこそ、多用してしまいがちな「させていただく」。
相手に配慮した表現を選ぶのは大切ですが、過剰にへりくだるいい回しが、かえって違和感を与えてしまうこともあるようです。
丁寧な気持ちを届けるためにも、時には立ち止まって、言葉の使いどころを見直してみるのもいいかもしれませんね。
[文・構成/grape編集部]
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