芸妓が客に身なりを馬鹿にされて… 『粋』な返しに「かっこいい!」「さすがプロ」
職場で働いていると、時々、対応の難しい相手に出会うことがあるのではないでしょうか。
たとえ理不尽でも、おだやかに受け流す強さが試される瞬間と言えるかもしれません。
15歳で、京都の花街に飛び込んだ、元舞妓の松原彩(@AYA_ayayakko)さんも、失礼な態度を取る客に巡り合ったことがあるそう。
ある時、松原さんの先輩である芸妓が、客から身なりを馬鹿にされたのですが…。
優雅に微笑みながら、十分な腕前をアピールしたのです!
一般的に、舞妓は15~20歳ほどで、芸妓を目指して歌や舞などの芸事を修行。一方、芸妓は20歳以上で、舞妓としての修行を終えた後、芸事を仕事として自立した生活を送ります。
余裕が感じられる切り返しは、芸事で勝負してきた長年の経験の表れでしょう。
トゲがなく、芸妓としての誇りが感じられる返しが痛快で、スカッとしますよね。
当時、後輩だった松原さんがますます好きになったのも納得です。
芸妓の見事な切り返しを描いた2コマ漫画には、Xで6万件を超える『いいね』が寄せられ、称賛の声が相次ぎました。
・素敵です!私もこれぐらい頭の回転が速い人になりたい…!
・かっこいい!こういう大人の対応には、本当に憧れる。
・スマートな切り返しがスッと出てくるのは、さすがプロですね。
・機転が利いて、ウィットに富んだ返しが粋です!華麗なあしらい方がすごすぎる!
先輩芸妓の『粋』な切り返し漫画で描いた元舞妓「いつも感動」
Xの大きな反響を受けて、grapeマンガ編集部は、松原さんを取材。
先輩だった芸妓の姿を描いたきっかけや、当時の裏話などを聞きました。
――どうして先輩である芸妓さんを漫画で描こうと思ったのでしょうか。
舞妓さんと芸妓さんは年齢が違うだけでなく、芸事や接客スキルの違いもあると思っています。
今回はそういったレベルの違いも知ってほしいと思い、描かせていただきました。
――今回の漫画で描いた芸妓さんとの関係を教えてください。
自分の直属の上司のような関係ではありませんでしたが、同じ花街の姉さんです。
当時、私はまだ舞妓さんになりたてでしたが、よくお座敷での動き方を教えていただきました。――改めて、先輩芸妓さんのどんなところを尊敬していましたか。
いつも上機嫌で、優しい姉さんでした。
お客様からの嫌味もサラッとかわして楽しい話題に持っていく接客スキルには、いつも感動していましたね。
――先輩の芸妓さんを描いた2コマ漫画を通じて、読者にどんなことを感じてほしいですか。
この漫画をきっかけに、京都や花街、芸妓・舞妓さんのことに興味を持っていただけたら嬉しいです。
花街に対しては、いろんな考え方があると思います。
ですが、「花街は、芸に対して本気で向き合っている女性たちの生きる世界」だということを知っていただきたいですね。
花街で生きる女性の強さとしなやかさが伝わってくる、松原さんの作品。
多くの客と向き合うことで磨かれた所作や言葉の選び方には、憧れずにはいられませんね…!
※本記事は投稿者様の許諾を得た上で掲載しております。
[文・構成・取材/grape編集部]