【全文レポート】売れないお笑いタレントを演じた、原嘉孝 共演者から言われたまさかの一言が?
2025年12月19日、東京都豊島区にある映画館『池袋HUMAXシネマズ』で映画『初恋芸人』の初日舞台挨拶がおこなわれました。
本作は、同日から公開がスタートし、主演をアイドルグループ『timelesz』の原嘉孝さんが務めます。
制作発表には、原さんをはじめ、本作に出演した、俳優の沢口愛華さん、お笑いタレントのハニトラ梅木さん、夏目大一朗監督が登場。
撮影の裏側や『初恋』に関するエピソードなどをトークしました。
本記事では、初日舞台挨拶の様子をほぼ全文レポートします!
原嘉孝、5分のノーカットシーンを語る
『初恋芸人』は、原さんが扮する、売れないお笑いタレントの佐藤賢治が1人の女性と知り合い成長していく、切ないラブストーリー。
原さんは、公開初日を迎えた気持ちを素直に語りました。
撮影:grape編集部
原:
撮影したのが、もう1年半前になるので、公開までが本当に長かったですね。
今日からみなさんに楽しんでもらえると思うと、ワクワクが止まりません。
みなさんの力をお借りして、盛り上げていただけると嬉しいです!
『初恋芸人』が、原さんにとって映画初主演。大役に、気合いも十分だったことが伝わってきます。
続けて、司会者から「最も印象に残ったシーンは?」を聞かれると…。
原:
43分20秒からの『長回し』で撮影したシーンですね。
カフェを舞台にした沢口さんとのシーンなんですけど、まったく画角が変わらないまま映像が流れていくんです。
5分弱の長回しで、ゆったりとしたシーンなんですが、実は最初は『長回し』って聞いていなくて…。
一般的に映画の撮影では、シーンごとにカットを分けて撮影する『カット割り』が多く取り入れられています。
しかし、原さんが語るシーンでは、夏目監督があえてカットを入れない『長回し』で撮影を続けたそうです。
賢治と知り合った女性・市川理沙役を演じる、沢口さんも「そうなんですよ!」と、驚いた表情を浮かべていました。
撮影:grape編集部
沢口:それまでずっとカット割りで撮影していたので、びっくりしました。
原:動揺はしたけど、一発でOKが出たんだよね(笑)。
沢口:そうそう!監督を呼び出して、「本当に一発で大丈夫ですか?」って詰め方をしたのを覚えています(笑)。
撮影:grape編集部
夏目監督:はじめは、僕も『カット割り』で撮影する予定でしたが、2人の緊張感が伝わって来て、「いや、これ1発で見せたほうがいいんじゃないか」と思って、そのまま撮影を続行しましたね。
原:結果的に、沢口さんとの間や、声の使い方が伝わってくる、いいシーンになったと思います!
次に、沢口さんも特に気に入っているシーンについて、語りました。
沢口:
劇場の外に出て、原さんと言い合うシーンが、強く印象に残っています。
台本には書いていなかったんですけど、リハーサルや、本番を何回か重ねていく中で、感情ができ上がってきて、なぜか泣いてしまって…。
私は役者経験が少なかったので、「感情って、こういう風にできていくんだな」と、学びを得たシーンでしたね。
続けて、印象に残ったシーンについて語ったのは、賢治の同期のお笑いタレント・須藤雄太役を演じた、梅木さん
特に、原さんとの漫才のシーンが記憶に残っていたようで…。
撮影:grape編集部
梅木:原くんは『お笑いセンス』がいいので、何回かネタ合わせをしていくうちに、アドリブを入れてくるようになったんです。
最後の漫才シーンでは、何カットかに分けて撮影していますが、撮影するたびに原くんのアドリブが変わっているんですよ(笑)。
それに合わせて僕もツッコむので、本当の漫才かと思いました。
原:撮影日以外で、稽古の時間も取っていたので、役を通り越したコンビネーションが生まれたんじゃないかな~。
だから自然とアドリブが出たり、それを受けてツッコんだりすることができる関係性になったんだと思います。
あまりにも原さんのお笑いセンスが高かったため、梅木さんは「面白くなりすぎるなよ」とツッコミを入れながら稽古を重ねていたそうです。
稽古中も、どうしても漫才のリズムがよくなってしまうので、セリフの一言一句を確認しながら試行錯誤を続けていたといいます。売れないお笑いタレントを演じる上で、思わぬ壁となったのが原さんの抜群のセンスだったというのは、なんとも皮肉なエピソードです。
沢口愛華、撮影がおこなわれた因島での思い出が?
東京都と広島県の因島(いんのしま)で撮影がおこなわれた、『初恋芸人』。
原さんは、因島について「街並みが目に焼きついている」と語ります。
原:
因島って、昔ながらの街並みが続くんですよ。商店街とか、公民館とか、道を歩いているおじいちゃん、おばあちゃんとか。
派手な観光地ではないんですけど、「ここで賢治は育ったんだ」って自然に思えるような、ほっこりした街でした。
沢口さんも因島での撮影を「実家感のある、親しみやすい街」と、振り返りました。
撮影:grape編集部
沢口:
スタッフのお母さまが因島に住んでいるということで、夕食を作っていただいて、みんなでお酒を軽く飲んだんです。
その時に飲んだ日本酒がすごくおいしかったんですけど、その名前をずっと思い出せなくて…。映画の公開を機に覚えて帰ろうかなと思います(笑)。
一方の梅木さんは、因島の撮影に参加していないため、東京の撮影での思い出を明かしました。
撮影:grape編集部
梅木:
僕が若手時代に通っていた劇場で、原さんが撮影したんですよ。
なので、僕の記憶に、賢治がいるような気持ちになって。
実際、最近テレビで原さんを見るたびに「賢治、売れてるやん」って、逆転現象が起こったんですよ(笑)。
「賢治が売れていっている…!」と、感じましたね。
原嘉孝、初恋の相手はまさかの…
原、川上麻衣子と温水洋一に「パワーを感じました」
因島が舞台の場面では、賢治の母親である佐藤ミドリ、父親の佐藤義男が登場します。
ミドリ役を演じた、俳優の川上麻衣子さん、義男役を演じた温水洋一さんから会場にコメントが届けられました。
川上:
私は母親役として、短い期間ではあったんですが、因島に行かせていただきました。
天気もすごくよくて、海沿いの場所で濃厚なロケをおこなったことを覚えています。夜は、父親役の温水さんと、それから息子役の原くんとお酒を飲みながら、いろいろな話をしたので、とても印象深いです。
共演者の恋愛事情にもすごく興味津々で、ワクワクしながら話させていただいたのを覚えています。
本日が初日ということで、みなさんの素敵なコメントや感想など拡散していただけたら嬉しいなと思います。
温水:
撮影で訪れた因島は、とても素敵な場所でした。
夕日がとてもきれいで、写真をいっぱい撮りましたよ。
原くんは、「父親役が僕でいいのかな」って思うぐらいかっこいい好青年でした。
沢口さんと共演したシーンはなかったんですけど、今後沢口さんが出演される作品があって、僕はその原作の漫画が好きだったので、「次、この主役をやるよね」っていうお話をちらっとしたのは覚えています。とても素敵でチャーミーな人でした。
『初恋芸人』という映画はですね、今までのお笑いタレント映画の中でもピュアな話。
結末がね、複雑ですけど、「若い」ってそういうことなのかなということを思わせてくれる作品です。
自分が役者を目指した若い頃の気持ちを思い出させてくれました。多くの人に宣伝していただけると嬉しいです!
原さんは、俳優の大先輩である、川上さんと温水さんと共演して、たくさんの刺激を受けたといいます。
撮影:grape編集部
原:
共演させていただいたシーンは、そんなに多くなかったんですけど、「お会いした瞬間から、この親子の下で育った」と、自然に感じました。
なんというか、役者としてのパワーがありましたね。
川上さんが息子の恋愛に干渉していく演技とか、温水さんの、息子に何か言いたいんだけど、我慢して夕食を食べる演技が自然なんです。
そんな2人の演技を受けて、僕が少し強がりながら近況を報告する場面も、印象に残るいいシーンだったと思います。
温水さんのコメントで言及されていた、沢口さんも「存在感がすごかったですね」と、温水さんが放つオーラに圧倒された様子でした。
撮影:grape編集部
沢口:
温水さんが現場にいると、安心感があります!
川上さんも、本当に実家のガムテープのある場所を知っているんだろうなって思うぐらい、その場に馴染んでいました。長年、役者をやられている人って「本当にすごいんだな」と感じましたね。
原の初恋相手は、まさかの…?
『初恋芸人』というタイトルにちなんで、出演者の初恋に関するエピソードトークに突入。
原さんの初恋相手は、あるアニメ映画のキャラクターだったといいます。
原:
『劇場版ポケットモンスター 水の都の護神 ラティアスとラティオス』という映画があって、『ラティアス』っていうポケモンが女の子に変身するシーンがあるんですよ。
その子が主人公のサトシとキスをするシーンがあるんですが、その瞬間がマジの初恋でキュンキュンしちゃって(笑)。
幼稚園か、小学校低学年ぐらいの思い出ですね。
ちなみに沢口さんも、原さんと同じく、アニメのキャラクターが初恋なのだとか。
ディズニーの映画『塔の上のラプンツェル』に登場する、キャラクターだそうで…。
沢口:
某夢の国の、髪の長い女の子が主人公の作品に出てくる、盗人・ユージーンが好きです。
すごくイケメンなんですよ。先日、某夢の国に行ってきた時に、ユージーンの指名手配書がプリントされたトートバッグが売っていたので、迷わず購入させていただきました。
ユージーンは、いつまでも初恋の相手です!
ちなみに、夏目監督は、俳優のジョディ・フォスターさん、梅木さんは、道端で見た女の子が初恋だったとか。
初恋のエピソードには、その人だけの素敵な思い出があって、思わず微笑んでしまいますね。
最後に原さんが、ファンに向けてメッセージが送りました。
原:
賢治は、「売れたい」と思いながらも、「本気じゃないじゃん」と言われてしまうキャラクターです。僕自身も演じていて、思わず賢治の背中を叩きたくなるような、ムズムズする場面がありました。
夢を追い切れない自分や、つい言い訳を考えてしまう自分、初恋の相手に正直な気持ちを伝えられない。そんな感情が、現実と同じスピード感で描かれていく物語なので、今、立ち止まっている人ほど、気づかされることが多い作品なんじゃないかなと思います。
「少しでも多くの方にこの作品が届いてくれたら」と、心から願っています。どうぞよろしくお願いします!
撮影:grape編集部
『初恋芸人』は、全国の映画館で絶賛公開中です。
不器用ながらも、どこか共感してしまう原さんの演技を見たい人は、要チェックですよ!
[文・構成・取材/grape編集部]