おいしそうな『カステラ』 引きで見ると?「天才か」「すごい技術」
墨や岩絵の具、金箔などを用いて四季の風景や動植物などを描く、日本画。
独特な色彩や質感、表現技法などが魅力とされますが、伝統的で少し格式が高いイメージがありますよね。
そんな日本画の世界に、思わず空腹を刺激される作品が現れ、注目を集めています。
日本画で『スイーツ』を描くと?
「わぁ…!いいカステラが描けたので見てください!」
そんな一言を添えて、X上で作品の写真を投稿したのは、日本画家の大森亜矢子(@_aya_1011_)さんです。
大森さんはこれまでも、フルーツサンドなど身近な食べ物を日本画で表現し、たびたび話題になってきました。
鉱物や貝殻を砕いて作る、日本画の伝統的な画材、岩絵の具で描いたという『日常のおやつ』。
一体、どのような作品になっているのでしょうか。こちらをご覧ください。
今にも甘い香りが漂ってきそうな、一切れのカステラ。
描かれた断面は、しっとりとやわらかな生地や、ザクッとしたザラメの食感を想起させます。
絵であることが分かっていても、つい手を伸ばしてしまいたくなるほど、おいしそうです!
日本画のカステラに、ネットで「かぶりつきたい!」の声
作品には多くの『いいね』のほか、さまざまなコメントが寄せられていました。
・これはおいしいカステラ!ザラメがたっぷりですね。
・コーヒーか、いやホットミルクか…。おやつにいただきたい。
・本物かと思った。天才!表面のこんがりした質感がすごくおいしそう。
・こんなに牛乳が飲みたくなる日本画は初めて。
・たまらないな。お茶を淹れたくなっちゃう。
ちなみに大森さんいわく、こちらのカステラの日本画を壁に飾ると、小箱に入れたように見えるとか。
桐の箱に入った、高級カステラにも見えて、さらに魅力的ですね!
作品のポイントは「おいしそうと心から思うこと」
grapeは、大森さんに取材。作品への想いやこだわりについてうかがいました。
――制作時のポイントについて、教えてください。「おいしそうだなぁ!」と心から思うことが、一番のポイントです!
写真のようにそっくりに描くというよりも「おいしそう!おいしい!おいしかった!」といった、感動や思い出を形にしたいと思っています。
カステラは、子育てが少し落ち着いてきて日本画を再スタートした時にも、最初に描いたモチーフです。「おいしい、大好き!」という心の動きを描けたらと思っています。
――技術面でのこだわりや工夫した点はありますか。
技術面としては、鉱物や貝殻などを粒子にした、日本画特有の岩絵の具の魅力をたっぷり出せるように工夫しました。
デコボコ、ザラザラ、キラキラした岩絵の具の絵肌感を楽しんでいただきたいです!
カステラの色は、すべて鉱物や貝殻などの自然の色で塗っています。
自然からの素材をいただくということと「おいしいカステラをいただきます」という両方のありがたさを、作品に込めました。
3年前の作品から感じる進化
2026年現在、大森さんは日本画家としての活動と並行し、3人の息子さんを育てています。
子育てのため、日本画から離れた時期もありましたが、子育てが少し落ち着いた3年ほど前から制作を再開したそうです。
その際に描いたカステラの写真も公開してくれました。
大森さんは、前回と比べて「カステラの質感やザラメのキラキラ感などを表現する力がついてきた」と語っています。
質感や色の表現など、積み重ねてきた技術が確かに感じられますね。
硬い鉱物で作られる、伝統的な岩絵の具で表現された、ふんわりとやさしい一切れ。
その不思議なギャップが、日本画をぐっと身近なものにしてくれているのかもしれません。
※本記事は投稿者様の許諾を得た上で掲載しております。
[文・構成・取材/grapeトレンド編集部]