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通路のベビーカーで通行人が転んだら、誰のせい?  弁護士に聞いた考え方

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通路のベビーカーで通行人が転んだら、誰のせい?  弁護士に聞いた考え方

買い物中に、ベビーカーを通路に置いたまま、その場を離れている親子を見かけたことがある人もいるかもしれません。

子連れでの外出は、思い通りにいかないことの連続で、ほんの数分でも目を離せない場面は少なくないでしょう。

一方で、通路を通る側からすると、通路が狭くなり、足元の段差や荷物に気づかず、つまずきそうになることもあります。

どちらの立場にも、それぞれの事情があります。

だからこそ、ベビーカーの扱いをめぐる場面は、時に小さなすれ違いやトラブルにつながってしまうのかもしれません。

『置いたまま』は、どこまで許される?


では、ベビーカーを通路に放置する行為は、どこまで許されるのでしょうか。

弁護士法人ユア・エースの、正木絢生代表弁護士に話を聞きました。

――飲食店など、店舗内の通路にベビーカーを置いたままにするのは、法律的に問題になりますか?

ベビーカーを通路に置いたからといって、すぐに違法になるわけではありません。


ただし、通路をふさいでしまい、ほかの人が通りにくくなったり、避難の妨げになったりするような置き方をしている場合は、消防法や各自治体の『火災予防条例』に触れる可能性があります。

東京都では、『火災の予防や避難の妨げになる物を、通路などに置いてはいけない』と条例で定めており、飲食店もその対象に含まれます。

また、通路に置いてあったベビーカーにつまずいて誰かが転び、怪我をした場合、置いた側が損害賠償を求められる可能性もあります。

一方で

・壁際にきちんと寄せて置いている。

・店員の案内に従って置いている。

・通路の幅が十分に確保されている。

といった状況であれば、社会的にも『許される範囲』と判断されるケースが多いと考えられます。

通路のベビーカーで通行人が転んだら、誰のせい?  弁護士に聞いた考え方

※写真はイメージ

――通路に置いてあったベビーカーに誰かがつまずいて怪我をした場合、誰の責任になるのでしょうか?

『誰がどの程度注意義務を怠ったか』を具体的な状況に即して判断していくことになります。


ベビーカーを通路中央に放置し、荷物も通路側にはみ出していて足元が極めて見えにくい状態であったなら、ベビーカー利用者の過失は大きいと評価されます。他方で、もともと通路が極端に狭いのに店としてベビーカー置き場を用意していない、混雑を前提としながら安全対策を取っていない、といった事情があれば、店舗側の安全配慮義務違反も認められやすくなります。

さらに、被害者がスマホを見ながら歩いていたなどの不注意があれば、「お互いに少しずつ責任がある」として、賠償額が減ることもあります。

最終的には、『ベビーカーを置いた人』『お店』『転んだ人』それぞれの責任を分けて考える、というイメージになります。

――ベビーカー利用者と店舗の双方が安心して過ごすために、どんな工夫やルールづくりが必要ですか?

ベビーカー利用者と店舗が互いにストレスなく過ごすには、『物理的な工夫』と『コミュニケーションによるルール作り』の両方が欠かせません。

店舗側は、出入口付近や比較的広いエリアにベビーカー置き場を明示し、床のラインやピクトグラムで分かりやすく示すことが有効です。

そのうえで、「混雑時は折りたたみにご協力を」といった、協力をお願いする形の表示を用意し、スタッフにも丁寧な声かけの方法をマニュアル化しておくとよいでしょう。

一方、利用者側も、入店時に「どこに置くのがよいですか」と相談し、通路中央や曲がり角を避けて壁際に寄せる、長時間離れる時は通路からいったん退けるなど、小さな配慮を積み重ねることが、結果的に双方の安心につながります。


お互いが気持ちよく過ごすために、大切にしたいこと

通路のベビーカーで通行人が転んだら、誰のせい?  弁護士に聞いた考え方

※写真はイメージ

ベビーカーを通路に置いたままにする行為は、すぐに違法になるわけではありません。

ただ、置き方や周囲の状況によっては、通行の妨げになったり、思わぬトラブルにつながったりすることもあります。

だからこそ、利用者と店舗、そして周囲の人たちが、ほんの少しずつ気を配り合うことが大切なのかもしれません。

そうした小さな気遣いの積み重ねが、誰もが気持ちよく過ごせる空間につながっていくでしょう。

[文・取材/LUIS FIELD構成/grape編集部]

通路のベビーカーで通行人が転んだら、誰のせい?  弁護士に聞いた考え方
取材協力弁護士法人ユア・エース正木絢生代表弁護士
弁護士法人ユア・エース代表。第二東京弁護士会所属。消費者トラブルや交通事故・相続・労働問題・詐欺事件・薬物事件など民事事件から刑事事件まで幅広く手掛ける。
BAYFM『ゆっきーのCan Can do it!』にレギュラー出演するほか、ニュース・情報番組などメディア出演も多数。

YouTubeの「マサッキー弁護士チャンネル」にて、法律やお金のことをわかりやすく解説、ユア・エース公式チャンネル「ちょっと気になる法律相談」では知っておきたい法律知識を配信中。
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