運転がうまい人は何が違う? 警察官が現場で気付いた共通点
あなたが思う『運転がうまい人』とは、どんな人でしょうか。
世間で『運転がうまい人』と聞くと、狭い道をスピードを落とさずに走れる人や、車庫入れを一発で決める人、ハンドルさばきが巧みな人などを思い浮かべるかもしれません。
筆者は警察官として10年間勤務してきました。
警察官は日常的にパトカーや公用車を運転し、時には緊急走行という特殊な環境の中でハンドルを握るなど、運転はまさに業務の一部です。
今回は、そうした経験を重ねてきた筆者が考える『運転がうまい人』についてお伝えします。
『運転がうまい人』=寝ちゃう運転する人!?
ずばり、筆者が考える『運転がうまい人』とは、隣に乗っていて、ついつい居眠りしてしまうような運転ができる人です。
※写真はイメージ
例えば、よそ見をしていたら急ブレーキをかけられてドキッとしたり、前の車との車間距離が近くてハラハラしたり、運転中にスマホを頻繁に確認したりする様子を見ると、落ち着いて乗ってはいられません。
こうした経験に、心当たりはないでしょうか。
そうした状況では、自然と身体に力が入り、眠くなるどころではないと感じる人も多いはずです。
もちろん、居眠りを勧めたいわけではありません。
同乗者も周囲の状況に気づき、危険があれば運転手に伝えることは大切です。
ただ、それでも「つい眠くなってしまう」と感じる運転には、それだけの安心感があります。
筆者は、その安心感を与えられる運転を、『下手な運転』だとは思えませんでした。
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ちなみに、これはあくまで筆者個人の感覚ですが、一緒に乗っている人がウトウトし始めると、「それだけ安心してもらえているのかな」と、少し嬉しくなることがあります。
その分、より気を張って運転しようと思うようにもなりました。
もっとも、警察官として勤務している時は例外です。
パトカーで居眠りされては困るので、さすがに「もうすぐ休憩するからこらえて」と注意していました。
事故現場で感じた『安心感の差』
筆者がそう考えるようになった理由の1つが、事故現場での経験です。
警察官として数多くの事故現場に立ち会ってきましたが、事故の中でも特に多かったのが追突事故でした。
追突事故の原因としてよく挙げられるのは、脇見運転や、いわゆる『ながら運転』です。
そうした事故に共通していたのは、前の車との車間距離が思っている以上に近いという点でした。
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何か異変に気づいた瞬間、車間距離に余裕があれば、ブレーキを踏む、ハンドルを切るなど、衝突を避けるための選択肢が生まれます。
反対に、なんとなく運転していると、気づかないうちに前の車との距離が詰まりがちになります。
実際、距離さえ取れていれば防げたと感じる事故は、決して少なくありませんでした。
もちろん、事故を起こした人が下手で、事故を起こしていない人がうまい、という単純な話ではありません。
それでも、安心感のある運転を心がけることが、結果として事故を遠ざける。
そう強く感じるようになったのは、多くの現場を何度も見てきたからでした。
同乗者として感じた『うまい運転』の共通点
もう1つの理由は、同乗者として感じてきた違いです。
筆者は警察官時代、さまざまな人と警察車両に乗ってきましたが、「この人は運転がうまいな」と感じる人には、ある共通点がありました。
警察の運転には、緊急走行という特殊な場面があります。
そのため、運転訓練では、スラロームや特設コースを使い、比較的速いスピードで車を扱う訓練も行われます。
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そうした訓練でうまさが際立つ人ほど、通常の運転では驚くほど穏やかで、安心感のある運転をしていました。
それは、高い運転技術を『いつでも使う』のではなく、『使うべき場面を分かっている』からだと思います。
応用は、基本の積み重ねの上にあります。
その基本とは、無理をせず、周囲を不安にさせない運転を心がけること。
警察官としての経験を通して、運転のうまさは派手な操作ではなく、安全運転を大切にする姿勢に表れるのだと学びました。
運転がうまい人=安全運転ができる人
運転がうまい人の定義は人それぞれだと思いますが、筆者は『安全に運転できる人』こそが、運転がうまい人だと感じています。
速さや技術よりも、周囲に安心感を与えられるかどうか。
そんな視点で、自分の運転を振り返ってみるのもいいかもしれません。
[文・構成/りょうせい]