ほうれん草は切ってゆでる?そのまま? 試した結果に「甘みが違う」【管理栄養士監修】
和え物や炒め物など、いろいろな料理に使うことが多い、ほうれん草。
アクが強いので下ゆでしてから使いますが、ゆでてから切るのか、切ってからゆでるのか迷ったことはありませんか。
今回は管理栄養士の資格を持つ筆者が、ほうれん草のゆで方でおいしさや栄養価がどう変わるかを比べたいと思います!
ほうれん草のゆで方
ゆで方で味や見た目の違いなどを比べたいので、1袋のほうれん草を2つに分けて使いました。
撮影:小泉明代
これを半分に分けて、そのままと切った状態にします。
撮影:小泉明代
そのままゆでるものは、根の先端を切り落とし、根元に十字の切れ目を入れます。切ってからゆでるものは3cmほどの長さに切りました。
これらをそれぞれ水を張ったボウルでよく洗い、水気を切り、沸騰したお湯1ℓで2分ゆでます。
そのままゆでるほうは、根元から沈めてゆでましょう。
撮影:小泉明代
以下は、根元を切らずにゆでているところです。
撮影:小泉明代
切ったものは、一度にそのまま鍋に入れてゆでました。
撮影:小泉明代
ゆで上がったら冷水にとって冷まし、水気を絞ってでき上がりです。
どちらもきれいな緑色に仕上がりました。
2つのゆで上がりの写真(撮影:小泉明代)
そのままゆでたものは、先に切ったものと同じ3cmほどに切りました。
切り口が揃うので、盛りつけを整えたい時によさそうですね。
撮影:小泉明代
切ってからゆでたものは和え物などに使いやすそうです。
撮影:小泉明代
まずはそのまま食べてみます。
左がゆでてから切ったもの、右が切ってからゆでたもの(撮影:小泉明代)
ゆでてから切ったものは、ほうれん草の味が濃く、甘みがあっておいしいです。
一方、切ってからゆでたものはほうれん草の味が薄く、甘みもあまり感じられませんでした。
ただ、ほうれん草の風味が苦手な人には食べやすいと感じることもあるかもしれませんね。
ほうれん草のゴマ和えにすると?
次にゴマ和えにして食べ比べをしてみます。すりゴマ、醤油、砂糖を使った同じ衣であえました。
左がゆでてから切ったもの、右が切ってからゆでたもの(撮影:小泉明代)
味つけをするとあまり差がないようですが、よく噛んでじっくり味わうと、やはりゆでてから切ったもののほうが、ほうれん草の甘みなど素材の味わいが感じられておいしかったです。
一方、切ってからゆでたほうれん草のゴマ和えも十分においしく、「料理や味つけによっては、ゆで方の違いによるほうれん草の味の差は分からないのでは」と思いました。
栄養価を比べてみよう!
女子栄養大学出版部の『女子栄養大学料理のなるほど実験室』によると、ほうれん草をゆでてから切ったものと、切ってからゆでたものの100gの成分の比較が紹介されています。
実験条件はほうれん草200gを使用し、ゆで時間は5分なので、今回とは異なる部分もありますが、同書によるとそれぞれの成分は以下の通りです。
・ビタミンC:ゆでてから35mg、切ってから29mg
・カリウム:ゆでてから440mg、切ってから400mg
・シュウ酸:ゆでてから67mg、切ってから65mg
※参照:『女子栄養大学料理のなるほど実験室』(女子栄養大学出版部)P84.85
左がゆでてから切ったもの、右が切ってからゆでたもの(撮影:小泉明代)
ゆでてから切ったほうが、水に溶けやすいビタミンCやカリウムなどの栄養素が多く残っていますね。
ビタミンCはコラーゲン合成に欠かせず、カリウムは余分なナトリウムを排出する働きがあります。
わずかな差ですが、より多くこれらの栄養素を摂るためには、ゆでた後に切るとよいでしょう。シュウ酸はアクの成分ですが、切ってからゆでるほうがわずかですが少なくなっています。
えぐ味が気になる場合など、シュウ酸を減らしたい場合は切ってからゆでるとよさそうですね。
使い分けもよさそう!
撮影:小泉明代
ほうれん草のゆで方による味や栄養価の違いについて紹介しました。
先に切ってからゆでるよりも、ゆでてから切ったほうがほうれん草の甘みが感じられるなどの違いがありましたが、料理のしやすさや食べる人の好みなどにあわせて、使い分けてもよいでしょう。
ぜひ、ほうれん草の料理を作る時の参考にしてくださいね。
[文/小泉明代構成/grape編集部]