【考察】鈴木亮平の演技に鳥肌 見返すと分かる小さな違和感『リブート』4話
SNSを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。
2026年1月スタートのテレビドラマ『リブート』(TBS系)の見どころを連載していきます。以下、ネタバレが含まれます。
かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。
本物の儀堂歩(鈴木亮平)は生きていて、どんな容姿になっているかは分からないが、いずれは登場するだろうと視聴者のほとんどが思っていたはずだ。
ドラマ初回、冒頭の鶏小屋での一香(戸田恵梨香)との会話から、逃げるために容姿を変えることが儀堂にとってのリブートだと、私たちは勝手に解釈していた。
だが、彼にとってのリブートとは自身が容姿を変えることではなく、他人の容姿を自分に変えて、生贄にするためだった。
その残酷な目論見の一端が、『リブート』(TBS系)第4話で明らかになった。
『リブート』儀堂の一言に鳥肌が立つ
商店街で昔ながらの洋菓子店を営む早瀬陸(松山ケンイチ)の運命は、行方不明になっていた妻・夏海(山口紗弥加)が白骨遺体で発見されたことで一気に暗転する。
冤罪として妻殺害の容疑を賭けられた早瀬は、残された息子を守り抜くために刑事の儀堂歩に姿を変え、妻を殺害した真犯人を見つけ出すことを決意する。
しかし夏海の死には裏社会の金が深く絡んでおり、早瀬は誰も信じられない状況のなか、次々と命の危険に晒される。
4話については、どうあっても鈴木亮平の見事な演技抜きには語れないだろう。
「殺すには惜しいな、早瀬陸」の一言で視聴者はすべてを悟る。声音が平板で冷たい。
ぶわっと全身に鳥肌が立つような気持ちになったのは、決して筆者だけではないはずだ。
見返せば、確かに小さな『らしくなさ』はある。
ドーナツを食べながら「甘くて美味しいですね」と語っている。
早瀬陸ならば、甘くて美味しいなどという雑な感想にはならない。
甘さの種類や材料まで深堀りしながら嬉々として語るだろう。
ほぼ4役を演じる鈴木亮平
それにしても、今作での鈴木亮平の表現たるや、ひとり二役どころではない。
早瀬陸、儀堂を演じる早瀬陸、儀堂歩、そして早瀬を演じる儀堂歩。
振り幅というよりはボリュームを繊細に上げ下げするように、鈴木亮平は求められる表現に自らの立ち姿、まなざし、声、身体表現の全てをピンポイントに合わせてくる。
整形で主人公が他人に成り代わるというこの作品の概要を最初に知った時に、それはドラマとして成立しうる設定なのかと心配になった。
だが、主演が鈴木亮平だというその一点が、それなら面白くなるかもしれないと、不安を相殺してくれた。
民放の連続ドラマとしては複雑すぎるほどのこのドラマは、鈴木亮平という俳優の存在があって成立したのだと思う。
作り手は鈴木の存在があってこのドラマがエンタテインメントとして映像になると信頼し、見る側もまた、鈴木亮平なら間違いがないという確信を持って作品を迎え入れる。
努力と研鑽を積みつづけた一人の俳優が、その国のエンタテインメントのレベルを引き上げるところを、我々は今、目の当たりにしている。
ケーキに対する登場人物の反応
回を重ねるごとに、登場人物の言動に余白や余韻が漂いはじめていることも興味深い。
4話で印象に残ったのは、早瀬が作ったケーキに対する合六(北村有起哉)と冬橋航(永瀬廉)そして一香、それぞれの反応だった。
自らも料理を振る舞うが故に、早瀬の高い技量を推し量る合六は、この面倒な事態をある意味面白がっているように見える。
ケーキを頬張った冬橋の反応には明らかに含みがあった。
ここまでに明らかになったように、過去に夏海と冬橋の間に何らかの交流があったのなら、夏海が愛した早瀬のケーキを冬橋はどこかで食べているのではないか。
そして、一香はケーキを目前に食べることを拒む。
「夏海さんのだから」と理由を語ったが、今これを口にしたら、あらゆる感情がこらえきれずに溢れてしまうからだと推しはかるのは感傷的すぎるだろうか。
そして作ったケーキを「味は悪くないが少々古くさいな」と評する合六に、早瀬は「それでいいんです。うちの妻はその懐かしい味が大好きでした」と即座に返す。
生殺与奪の権を持つ相手に気負いなく言い返すその佇まいは、職人としてのプライドと揺るがぬ家族への愛に満ちていた。
その強さと誇りは、これからの後半、早瀬と彼の家族をどこに導いていくのだろうか。
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出演者が投稿した4話でのオフショットや、SNSの反応、考察も紹介しています。
「儀堂と早瀬で、コーヒーの飲み方が違う」「徹底的なコピーがすごい」といった声も上がっていました。
また、鈴木さんのお面を被った松山さんの投稿も話題に。2人のSNSでの交流からも見逃せません!
[文/かな構成/grape編集部]