カゴからはみ出すトイレットペーパーは違反? 自転車での買い物で気をつけたいルール
夕飯の買い物を終えて自転車に乗ろうとした時、前かごが荷物でいっぱいなのに「トイレットペーパーを買い忘れた!」と気づき、その上にさらに載せてしまったことはないでしょうか。
はみ出した荷物のせいで前が見えづらくなり、ハンドルがふらつくこともあるでしょう。
『少しの間だけ』と走っている最中に子供が飛び出したり、車と接触したりするおそれも否定できません。
「みんなやっているから」という油断が、実は事故や法律違反につながる可能性があるのです。
『カゴに入ればOK』は間違い? 知っておきたい自転車の積載基準
※写真はイメージ
本記事では、アディーレ法律事務所の島田さくら弁護士に、自転車の積載ルールについて、話をうかがいました。
――自転車の積載について、法律では前カゴに積める荷物の大きさ・積み方にどのような制限がありますか?
自転車の積載に関する制限は、道路交通法に基づき各都道府県が定める『道路交通規則』によって決まるため、地域によって細かな違いがあります。
例えば『東京都道路交通規則』では、次のように定められています。
・荷物の重量は30kgまで
・前後の長さはカゴから30cm以内
・幅はカゴから左右それぞれ15cm以内
・高さは地面から2m以内
さらに、積み方は以下の決まりがあります。
・カゴから前後にもっともはみ出した部分の合計が30cmを超えてはいけない
・左右はそれぞれ15cm以内
各自転車や前カゴには『JIS規格』に基づく最大積載量が記載されています。安全に運転するためには、必ず自分の自転車や前カゴの最大積載量を確認しましょう。
――前カゴから荷物がはみ出している場合、どのような状態から違反になるのでしょうか?
違反となるのは、先述した各都道府県の道路交通規則で定められた長さ・幅・高さの基準を超えた場合や、積み方が規則に反している場合です。
積載制限違反には、2万円以下の罰金または科料が科されます。
ただし、基準内であっても、荷物が原因でハンドルやブレーキ操作が不安定になったり、視界が遮られる状態で運転したりすると、道路交通法第70条の『安全運転義務違反』に該当する可能性があります。この場合、自転車の『青切符制度』の対象になることもあるので、ルールを守って安全運転を心がけることが大切です。
――荷物のはみ出しが原因で事故が起きた場合、自転車に乗っていた人の責任はどのように判断されますか?
事故が発生した場合、荷物の積載状況は過失割合に影響します。特に、積載制限違反が原因で事故が起きた場合、自転車運転者の過失割合は大きくなるでしょう。
また、荷物のはみ出しが基準内でも、不必要なはみ出しなどで安全への配慮に欠けており、安全運転義務違反に該当する場合、過失割合で不利に判断されることがあるので注意が必要です。
「少しはみ出しているくらい大丈夫」という油断が、事故時には大きなリスクになります。自転車は免許不要で便利な乗り物ですが、違反があれば運転者は法的責任を負うことを忘れないでください。
自分を守るための積載ルール
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法律では荷物のはみ出しにも基準が定められています。だからこそ私たちにできるのは、無理のない量にとどめて運ぶという心がけです。
「カゴに載っていれば大丈夫」と思い込まず、一度立ち止まって考えてみるのが大事でしょう。
ほんの少し気を配るだけでも、自分や周囲の安全を守ることにつながります。その積み重ねが、いつもの何気ない日常をそっと支えてくれるかもしれません。
[文・取材/LUIS FIELD構成/grape編集部]
退職代行、不当解雇、パワハラなどの労働問題全般に精通。在日ASEAN加盟国大使館の領事担当官に対し、民間の法律事務所初となる労働法講演を行った実績を持つ。
TVやラジオ、雑誌などメディアの出演歴も長く、幅広い分野への対応力にも定評がある。
HP⇒アディーレ法律事務所