意外と勘違いしてる人多いかも! 6割以上がよく知らない、身近な肝臓の病気とは
毎年やってくる健康診断。
「体重は標準だし、お酒もそんなに飲まないから肝臓は大丈夫!」と、検査結果の数値をサッと見て引き出しにしまっていませんか。
実はその思い込み、少し危険かもしれません…。
お酒を飲まない人も要注意!知っておきたい『脂肪肝』
肝臓の働きというと、なんとなく『アルコールの分解』を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
しかし肝臓は、腸で消化・吸収したさまざまな栄養素を分解、合成して、全身にバランスよく供給する役割も担っています。
食べ過ぎや運動不足で消費しきれなかった糖分は、中性脂肪に変換されて肝臓に溜まります。これが『脂肪肝』です※1。
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日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社が、全国の35~74歳の男女2,000人を対象に実施した調査によると、『脂肪肝』という言葉を知っている人は8割以上。
一方で、どんな病気か詳しく知っている人は4割未満にとどまることが分かりました。
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また、肝臓の役割についての認識は、『アルコールや薬などの有害物質を分解して無害化する(解毒)』がもっとも多い結果に。
代謝や免疫、胆汁の生成・分泌、といったアルコール分解以外の役割まで知っている人は、4割以下にとどまりました。
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「自分は太っていないから関係ない」と思う人もいるかもしれませんが、実は日本人を含む東アジア人は、遺伝的に肝臓に脂肪がたまりやすい体質であることが分かっています※2。
そのため、普通体重であっても脂肪肝になるリスクが比較的高いのだとか。
国内では2,000万人以上が罹患しており※3、進行すると肝硬変や肝がんになるリスクがある※1だけでなく、肥満症や2型糖尿病といった代謝疾患にも深く関わってくる※4,5ため、気をつけなければなりません。
そんな脂肪肝ですが、初期は自覚症状がほとんどなく、気づかないうちに進行してしまうのが怖いところ。日常生活では見過ごしてしまいがちな脂肪肝に、早く気づくカギとなるのが、健康診断の血液検査にある、『AST(GOT)』、『ALT(GPT)』、『γ-GTP』といった項目です。
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これらは肝臓に負担がかかっていないかを見る目安になりますが、調査では、意味を正しく理解している人が2割未満という結果でした。
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日本肝臓学会では、『ALTが30を超える場合』を受診の目安としているため、この数値を覚えておくといいでしょう。
数値が高かったり、脂肪肝を指摘されたりした場合は、自己判断せずに早めに医師に相談してください。
健康診断などで、肝臓の状態を知ることが大切
脂肪肝は初期の段階では自覚症状がほとんどなく、自分では気づきにくい病気です。
しかし、そのまま進行するとさまざまな代謝疾患などを引き起こすリスクがあります。
だからこそ「自分には関係ない」と思わず、健康診断結果などをもとに、自分の肝臓の状態を知ることが大切。
「そういえば最近、健康診断の結果をちゃんと見ていないかも…」という人は、この機会に手元の結果を見直してみてはいかがでしょうか。
※1 日本消化器病学会、日本肝臓学会「患者さんとご家族のためのNAFLD/NASHガイド2023」, 2023
※2 Koichiro A et.al., Metabolism. 2009 Aug;58(8):1200-7.
※3 日本消化器病学会、日本肝臓学会「NAFLD/NASH診療ガイドライン2020(改訂第2版)」, 2020
※4 Tobari M, et al.: Gut Liver. 2020; 14(5): 537-545.
※5 Yoshihiro Kamada et al. Hepatol Res. 2025 Dec 4. doi: 10.1111/hepr.70088. Online ahead of print.
[文・構成/grape編集部]