3月の引越しトラブルに注意! 業者都合のキャンセルで「違約金」は請求できる?
年度の最終月となる3月。新生活に向けて、引越しの準備に追われている人も多いのではないでしょうか。
心機一転、新しい住まいでの生活に胸を躍らせる一方で、この時期に多発するのが『引越し難民』や『業者とのトラブル』。
特に恐ろしいのが、引越し当日や直前になって業者から「人手が足りなくて行けなくなった」「トラックが手配できないのでキャンセルさせてほしい」と告げられるケースです。
「荷造りも済ませて、今の家は明日引き渡しなのに…」
「新居の家賃も発生しているし、急に泊まるホテル代はどうすればいいの?」
そんなパニックに陥った時、私たちは業者に対して違約金や損害賠償を請求することができるのでしょうか。
弁護士「業者側のキャンセルには、違約金の支払い義務があります」
※写真はイメージ
引越し業者による直前のキャンセル。法的にはどのように守られているのでしょうか。
大阪府大阪市で、まこと法律事務所を運営する北村真一弁護士にうかがいました。
――引越し業者から直前にキャンセルされた場合、違約金はもらえますか?
業者側の都合でキャンセルになった場合、業者側にも違約金の支払い義務が生じます。
引越し契約の多くは、国土交通省が定めた『標準引越運送約款』に基づいています。
これには、利用者側がキャンセルした時と同様に、業者側が解約や延期をした場合のルールも定められているのです。
――具体的に、いくらくらいもらえるのでしょうか?
約款では、連絡があったタイミングに応じて、以下の金額を『解約手数料』として支払わなければならないとされています。
・引越日の前々日に連絡があった場合:運賃の20%以内。
・引越日の前日に連絡があった場合:運賃の30%以内。
・引越しの当日に連絡があった場合:運賃の50%以内。
つまり、業者側の不手際であれば、一定の補償を受ける権利があるということですね。
――ホテル代や新居の家賃など、実際の被害額も請求できるのでしょうか?
法的には、業者側の過失によって生じた『通常生ずべき損害』であれば、請求できる可能性があります。ただし、それにはハードルもあります。その費用が本当に必要不可欠だったという証明が必要になりますし、業者が予見できなかった特別な事情による損害までは認められにくいのが現実です。
実際には、約款の違約金に加えて、かかった実費の一部を話し合いで解決するケースが多いですね。
もしもの時のために、領収書などはすべて大切に保管しておき、冷静に交渉を進めることが大切です。
安心して新生活を迎えるために
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引越しの繁忙期である3月は、業者側も余裕がないことが予想されます。
トラブルを未然に防ぐためには、引越しの3日前までに業者から『最終確認』の連絡が来ているか、こちらからも確認を入れるなど、こまめなコミュニケーションを心がけましょう。
人生の大きな節目である引越し。
予期せぬトラブルで出鼻をくじかれないよう、正しい知識を身につけて、晴れやかな気持ちで新生活をスタートさせたいものですね。
[文・取材/LUIS FIELD構成/grape編集部]