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【考察】天性の繊細さを持つ永瀬廉の感情を押し殺した瞳『リブート』第9話

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【考察】天性の繊細さを持つ永瀬廉の感情を押し殺した瞳『リブート』第9話

SNSを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。

2026年1月スタートのテレビドラマ『リブート』(TBS系)の見どころを連載していきます。以下、ネタバレが含まれます。

かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。

合六(北村有起哉)の命令には逆らえないという冬橋(永瀬廉)の投げやりな諦めを打ち破ったのは「そんなことをしてマチが喜ぶと思うのか」という早瀬陸(鈴木亮平)の言葉だった。

ありきたりに思える言葉だが、かつてマチの死について「あいつは自分で決めて、家族のためにここに来ただけだ」と断言し、彼女を深く理解していた冬橋だからこそ、早瀬の檄が深く突き刺さったのだろう。

このシーン、感情を押し殺した瞳のままで、合六という権力の下の安全と自分の目指す理想との間の迷いを表現した永瀬廉の演技が強く印象に残った。

【考察】天性の繊細さを持つ永瀬廉の感情を押し殺した瞳『リブート』第9話

『おかえりモネ』で永瀬廉が及川亮を演じたとき、己の中に渦巻く複雑な感情に名前をつけて分析してしまうより前に、複雑なまま体現してしまう永瀬の演技に非常に驚いた。


同じ事務所の他の、どころか同世代の他のどの俳優にもない、天性の繊細さだと思った。

『リブート』の永瀬廉は、その時感じた感動と驚きが、決してその場限りのものではなかったと再確認させてくれる。

最終話に向けて怒涛の展開で終わった9話


商店街の片隅で洋菓子店の二代目パティシエとして、母親と息子と3人で暮らしていた早瀬陸の人生は、行方不明になっていた妻・夏海(山口紗弥加・戸田恵梨香)が白骨遺体で発見されたことで激変する。

妻殺しの冤罪を晴らすため、整形手術で刑事の儀堂歩に成り代わった早瀬だったが、妻の死の真相を追ううちに裏社会の資金トラブルに巻き込まれてしまう。

幾度も死に目に遭いながら真実を追い求める早瀬は、死んだ妻が自分同様に整形して幸後一香として生き延びていることを知る。

しかし喜びも束の間、早瀬陸と夏海にとっての最後の戦いが始まろうとしていた。

【考察】天性の繊細さを持つ永瀬廉の感情を押し殺した瞳『リブート』第9話

最終回を目前に、日曜劇場史上でもこれ以上ないくらいの絶体絶命で9話が終わり、自分を含めて多くの視聴者が天を仰いだのではないだろうか。しかし20分延長版の最終話を残して、これほど徹底的に事態が悪くなったのなら、もう中途半端な着地はないはずだ。
ハッピーエンドでもバッドエンドでも、とことん描ききって終わるだろう。

9話最大の見どころは、やはり早瀬が息子の拓海(矢崎滉)と向きあって、その耳を引っ張って励ます場面だ。

『粘り腰が早瀬の取り柄』という決まり文句、一香と決めた合図。これまでの物語で蒔いてきた種が花開いて深い感動を呼ぶ。

目の前にいる変わり者の刑事が本当は何者なのか、一瞬で気づいた拓海の目に光が灯り、容姿の変化を乗り越えて、息子が『父親』の本質そのものにたどり着くこのシーンは、ドラマ全体でも間違いなく名場面だ。

大きな感動と同時に、この静かな告白は、息子に二度と会えない覚悟の上で、もしもの時はこの家を頼むというバトンなのだと思うと胸が痛くなった。

【考察】天性の繊細さを持つ永瀬廉の感情を押し殺した瞳『リブート』第9話

最終話を前に、ほぼストーリーの全体図は明らかになったが、まだ幾つか伏せられた要素がある。

一つは警察内に潜む合六のスパイは本当に真北正親(伊藤英明)なのかという疑問である。


9話で登場した真北の妻・葉月(小幡めぐみ)と真北の間に漂う空気にどうしても違和感を感じてしまう。この人が本当にひき逃げをしたのか、夫婦間の微妙な空気は引け目と言うべきものなのか。

【考察】天性の繊細さを持つ永瀬廉の感情を押し殺した瞳『リブート』第9話

そして儀堂のロッカーにパソコンを仕込んだのが誰なのか。どうやら足立翼(蒔田彩珠)は真相にたどり着いているようだ。

その足立は、同僚の寺本(中川大輔)と上司の三上章大(池田鉄洋)から、調査中のパソコンの画面を咄嗟に隠そうとしていた。

寺本は最初に疑惑のロッカーの鍵を早瀬に渡しており、一方三上は盗聴器が仕掛けられていた儀堂のスマホを拘束後に手渡している。

どちらも同様に疑わしい。つくづく最後まで楽に見させてくれないドラマだと脱帽する。


【考察】天性の繊細さを持つ永瀬廉の感情を押し殺した瞳『リブート』第9話

そして、夏海が海江田の事務所から帰り際に言った「海江田さんにお願いがある」。

海江田はうんざりしていたが、頼みの中身はまだ明らかになっていない。

旧知の間柄の夏海と海江田の会話は、敵対関係にありながらも不思議な信頼関係を感じさせて興味深かった。果たして夏海は何を頼んだのだろうか。

【考察】天性の繊細さを持つ永瀬廉の感情を押し殺した瞳『リブート』第9話

最終話に向けて、一刻も早く次の日曜が来てほしい気持ちと、この2ヶ月の毎週の高揚感を思うと物語が終わるのが少し寂しくもある。

しかし、いずれにしても初回の冒頭、落として壊れたホールケーキが早瀬の手で元通りになったように、早瀬家に平穏な未来が訪れることを願うばかりだ。

[文/かな構成/grape編集部]

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