撥水と防水、何が違う? 2つの素材の疑問をメーカーに聞いた
レインウエアには『撥水』や『防水』といった表示がありますが、それぞれどのような違いがあるのか、よく分からないという人も多いのではないでしょうか。
そこで、アウトドア用品メーカーの株式会社モンベル(以下、モンベル)に『撥水』と『防水』の違いや、シーン別の選び方、お手入れ方法について聞きました。
『撥水』と『防水』の違いとは?
『撥水』と『防水』には、次のような違いがあります。
撥水:水を生地表面ではじく機能
防水:水を生地の内側へ通さない機能
一見すると似ていますが、違いは水に耐えられる強さです。
撥水は、生地の表面で少量の水滴をはじくことができます。しかし、大量の水や水圧がかかる状況には耐えられません。
一方、防水には、水を通さない『メンブレン』という膜が使われており、雨などの水が生地の内側へ入り込むのを防ぎます。
本格的な雨の日には、撥水だけでは水が内部に浸入してしまうため、防水性のあるウエアを選ぶとよいでしょう。
ストームクルーザージャケット(画像提供:株式会社モンベル)
レインウエア選びで大事なのは『防水性』と『透湿性』
モンベルによると、レインウエアを選ぶ際は『防水性』と『透湿性』の両方の確認が重要とのこと。
雨などの水を内側へ通さない機能が『防水性』です。
防水性は、耐水圧という数値で表され、モンベルではレインウエアに求められる耐水圧20,000mm以上という厳しい基準をクリアした素材をすべてのモデルに採用しています。
一方『透湿性』は、身体から出た汗の水蒸気をウエアの外へ逃がす機能です。
透湿性が低いと、雨は防げても汗による蒸れがこもり、ウエアの内側が濡れてしまいます。
特に登山など運動量が多い場面では、汗で身体が冷えて体温低下につながる恐れもあるため、防水性と同じくらい透湿性も大切だそうです。
用途に合わせてチェックしたい機能
必要に応じて、次のような機能も確認するとよいでしょう。
・止水ジッパーやフラップ:ファスナー部分から水が入り込むのを防ぐ。
・シームテープ加工:縫い目の裏側を防水性のあるテープで覆い、水の侵入を防ぐ。
画像提供:株式会社モンベル
なお、モンベルのレインウエアは、上記の機能をすべてのモデルに対応しています。
また、使い勝手を重視するなら、軽量でコンパクトに持ち運べるか、耐久性に優れているかも確認しておきたいポイントです。
シーン別に選ぶレインウエア
シーンに応じて、次のようなレインウエアを選ぶとよいでしょう。
※写真はイメージ
自転車での移動
反射材つきで視認性が高く、軽量でコンパクトに持ち運べるレインウエアがおすすめです。モンベルでは自転車用のレインウエアも展開しています。
強い雨の日
防水透湿性を備えたレインウエアが便利です。雨を防ぐだけでなく、ウエア内の蒸れを逃がすため、快適に着用できます。
撥水、防水機能を長持ちさせるには?
レインウエアの撥水機能や防水機能を長持ちさせるためには、定期的に洗濯をして汚れを落とすことが大切です。
洗濯の際は、生地に洗剤が残らないようしっかりすすぎましょう。
撥水、防水機能は、乾燥機やドライヤー、当て布をしたアイロンなどによる熱処理での回復が可能です。
ただし、製品によって適した温度や方法が異なるため、必ず洗濯表示を確認してから行ってください。
洗濯と熱処理だけで撥水性が回復しなくなったら、撥水剤を使用するタイミングです。
なお、モンベルでは環境に配慮して、PFASとよばれる有機フッ素化合物を使用しない撥水加工を採用しています。
性能を維持するために、定期的な洗濯と熱処理が必要とのことです。
テンペスト ジャケット(画像提供:株式会社モンベル)
『撥水』と『防水』の違いを知って、用途に合ったレインウエアを選ぼう
『撥水』と『防水』は、似ているようで役割が異なります。
雨の強さや使用シーンに合わせて適切なレインウエアを選び、雨の日も快適に過ごしましょう。
[文・取材/ブリジア構成/grapeライフハック編集部]