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こんなときこそ、じっくりと読書!読み応え十分、「オーケストラ」のすすめ

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こんなときこそ、じっくりと読書!読み応え十分、「オーケストラ」のすすめ

新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)による緊急事態宣言で、オーケストラのコンサートが中止されています。

実は、日本はアマチュア・オーケストラの数が非常に多い国。プロ・オーケストラが33団体あるのに対し、アマチュアはおよそ1,000団体以上もあり、東京近郊には約700団体が存在するといわれています。

気候のよい春は、プロ・アマチュアを問わずコンサートが多く、毎年多くの聴衆がコンサートを楽しんでいます。

楽器の練習ができないなら本でオーケストラを感じる


ホールや練習会場が閉鎖されている現在、アマチュア団員の中には、自宅に防音環境がないため練習さえできない方も多いでしょう。

今回は、こんなときこそおすすめしたい本をご紹介します。

クリスチャン・メルラン著、その名も『オーケストラ知りたかったことのすべて』(みすず書房)です。

こんなときこそ、じっくりと読書!読み応え十分、「オーケストラ」のすすめ

この本は、元プロ・オーケストラのティンパニー奏者フランソワ・デュパン氏と交流のあった著者が、彼を偲び、オーケストラを体系的にとらえたもので、日本では2020年2月に発行されました。


厚さ約3センチ、価格も税抜6,000円と少しお高めですが、コンサートのチケット代と考えれば、決して高くはないでしょう。

全3部構成で、世界各国のプロ・オーケストラにまつわるエピソードや各団の歴史が、たっぷり詰まって読み応え十分。

かつての名プレイヤーや、現在活躍中の達人の日ごろの生活を垣間見たかのような臨場感を味わえます。

こんなときこそ、じっくりと読書!読み応え十分、「オーケストラ」のすすめ

※写真はイメージ

第1部「オーケストラの奏者たち」


世間的にオーケストラが職業として認められにくいことや、男尊女卑だった時代に女性団員が訴訟に明け暮れたエピソード。

本番でのメンタルなど、華やかな舞台上の裏側が、しっかり語られています。

このほか、本番前に楽譜を自宅に忘れた団員の悪夢や、舞台袖で吹くはずのトランペット奏者が、劇場支配人に追い払われて本番に吹けなかった話など、面白エピソードも満載です。

第2部「構造化された共同体」


オーケストラという組織と各パートの役割が、分かりやすく説明されています。

これを読むと、ティンパニー奏者は、打楽器奏者とは一線を画し、曲の進行上、とても重要なパートであることがよく分かります。


また、国によって舞台での楽器配置が異なるなどのミニ知識も、図解されています。

第3部「指揮者との関係」


客演と音楽監督での指揮者の違いや、オーケストラとの関係がくわしく書かれています。

リハーサルや本番のエピソードも豊富で、指揮者と団員との相性が、いかに大切であるか、リアルに伝わってきます。

かつての名指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤンや、日本の誇り小澤征爾さんの名前も、よく出て来ますね。

これを読めば、練習やコンサートが再開されたときの感慨も、ひとしおですよ!

[文/AnyMama(エニママ)・構成/grape編集部]

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