薬丸裕英から岡江久美子へ約6分間の手紙 視聴者は涙…
2020年4月23日、新型コロナウイルス感染症による肺炎で俳優の岡江久美子さんが亡くなりました。
同年5月1日に放送されたバラエティ番組『ぴったんこカン★カン』(TBS系)では、生前岡江さんが同番組に出演した時の映像を放送。
番組の最後には、約17年半も情報番組『はなまるマーケット』(TBS系)で共演したタレントの薬丸裕英さんが岡江さんに宛てた直筆メッセージを読み上げました。
薬丸裕英さんから岡江久美子さんへの手紙(全文)
岡江久美子様
毎年お誕生日の時にお手紙を書いておりましたが、残念ながらこの手紙が岡江さんに書く最後の手紙となるかもしれません。
4月24日夕刻、レギュラー番組の生放送の本番直前でした。
岡江さんの訃報を楽屋のテレビで見て、一瞬、時間が止まり、震えが止まりませんでした。
その後、経過した時間を覚えていませんし、思い出すこともできないほどの衝撃でした。
あの日から毎日岡江さんのことを考えない日はありません。
1996年9月30日、岡江さんと私の朝は変わりました。
毎朝、お嬢さんのお弁当を作ってから局入りして、はなまるの生放送をマイペースで終えると、すぐに衣装を着替えてメイクを落とし、帰宅して掃除や洗濯、買い物や料理、すべてをこなす完璧な主婦。
ゆっくりしているのがとにかく苦手、せっかちでどこにでも歩いて行ってしまう、回遊魚のようなスーパー主婦。
常にアンテナを張っていて、すべての情報を洗濯もののように取り込み、本番での失敗や日常の悩みも、次の日には持ち越さないよう、心の掃除も忘れない満点主婦。
時々こぼす愚痴や不満もすべてユーモアに変えてしまう才能の持ち主でした。
きびきびしていて細かいことは気にしない岡江さんと男のくせに慎重派で細かいことを気にする私。
おばさんのようなおじさんと、おじさんのようなおばさん…そんな不思議なコンビが視聴者の方々に支えられて17年半も番組を続けることができました。
番組終了後もお食事やゴルフ、はなまるスタッフとの食事会など楽しい時間を一緒に過ごさせていただきました。
その中でも一番の思い出は岡江さんの還暦パーティーです。
岡江さんには内緒で美帆さん、お孫さんと企画したサプライズ誕生日会。岡江さん喜んでくださいましたよね。
私が用意した赤いバーキンのプレゼントケーキを見た時の驚きの表情とあの笑顔、今でも脳裏に焼き付いています。
あれからたったの3年です。
もうあの岡江さんの笑顔を見ることができないなんて悲しすぎます。
4月25日、岡江さんが荼毘(だび)に付されると連絡があり、その時刻に青空を見上げ手を合わせました。
最後にお顔を見ることもできず、お見送りすることも許されない、こんな別れはつらすぎます。
今でも信じられないし、信じたくないからさよならは告げません。
末筆になりますが、私からのお願いです。
はなまるマーケットの岡江さんは我々共演者やスタッフにとって、太陽のような存在でした。
だからこれからもずっと天国からみんなのことを照らし続けてください。
お願いします。
はなまるマーケットという素敵な番組で、岡江さんとご一緒できたことを心より感謝しています。
本当にありがとうございました。
薬丸裕英
ぴったんこカン★カンーより引用(原文ママ)
約6分にわたって読み上げられた手紙。
途中、涙で言葉に詰まりながらも岡江さんとの思い出を語りました。
薬丸さんはブログで手紙について何度も書き直したことを明かしています。
下書きを終えて清書の段階で
感情が乗りすぎてしまい
何度も書損じてしまいました
一文字… 一文字…
こんなに時間をかけて
手紙を書いたのは
はじめてかもしれません
薬丸裕英オフィシャルブログーより引用
番組を見た視聴者からはたくさんの悲しみの声が上がっています。
・手紙で涙腺崩壊しました。改めて素敵な人だったと思った。
・感動した。心にしみました。
・いいコンビだったよな。
もう見られないなんて…。
正反対の性格を持つ2人がいたからこそ、長寿番組として多くの人に愛されたのでしょう。
薬丸さんの思いは、空の上にいる岡江さんにも届いているはずです。
[文・構成/grape編集部]