逃げ方が分からない人たちへ 太田光の発言に「本当に心がこもったメッセージ」と反響
22歳の若さで逝去したことが報じられた、バラエティ番組『テラスハウス』(フジテレビ系)に出演していた女子プロレスラーの木村花さん。
以前からSNSで不特定多数から誹謗中傷を受けており、「誹謗中傷に傷付いたのは否定できない。お母さんや支えてくれたみんな、ありがとう。弱い私でごめんなさい」などの投稿をしていたほか、遺書とみられるメモが残されていたことが判明しています。
【訃報】女子プロレスの木村花さん22歳が逝去インスタで「さようなら」と投稿
2020年5月31日には情報番組『サンデー・ジャポン』(TBS系)で改めて誹謗中傷について取り上げられ、番組のMCである、お笑いコンビ『爆笑問題』の太田光さんが自身の考えを述べました。
太田光の感じた『木村花の逃げづらかった状況』
番組の出演陣から、誹謗中傷を受けた体験談を聞いた太田さん。その後、このように木村さんについて持論を展開しました。
この木村さんの状況って、学校でいえば恐らく集団いじめのまっただ中にいたってことですよね。
で、中学校かなんかでこういうことが起きると、我々なんかもそうだけど、「学校なんか行かなくてもいいから」って。
「もうそこだけの小さな世界で、外にはいっぱいいろんな世界があるんだから、学校から逃げろ」って、まあいろんな人がいうけども。
彼女の場合もう社会に出てて、ああやって番組に出てて…っていう意味でいうと、「こっからどうやって逃げればばいいんだろう」って、凄く分かりにくかったっていうのと。
サンデー・ジャポンーより引用
中学校とはまた違った環境の中にいた木村さんは、いじめと化した状況からどのように逃げればいいのか分からなかったのだろうと推測。
続けて、『テラスハウス』に出演していたことに触れ、その状況の特殊性について言及しました。
俺、『テラスハウス』って大好きで、なんシーズンか見てるんですけど、面白いんですよ。
男女の共同生活っていうのがあって、年頃の若い男と女の子が恋愛がらみで共同生活したら、それはねえ、ます精神的なバランスは崩しやすい状況にまずあると思うのね。
サンデー・ジャポンーより引用
『テラスハウス』の番組内・スタジオの人たち・日本の視聴者・SNS・配信された先の世界中の人々と、小さな世界が入れ子式のように、何重構造にもなっていたと考える太田さん。
それが「より抜け出しにくい環境だ」と木村さんに錯覚させていたのではないかと持論を述べました。
また、太田さんは力強く次のように訴えかけます。
その外側にはもっと広い世界があって、こんな自分がいる状況っていうのはその世界と比べたら、本当に米粒程度の状況で。
そこが固定された世界じゃないっていうことを分かってほしいというのと、「これが全部自分の世界だ」って思うのは錯覚なんですよ!
サンデー・ジャポンーより引用
「錯覚がないと人間は生きていけないのは事実。でもその錯覚が人を生かすことも殺すこともある」と語った太田さん。
彼の言葉は、多くの視聴者の胸に響いたようです。
【ネットの声】
・本当に心がこもったメッセージだ。太田さんの言葉に泣いた。
・凄くいい言葉だった。小さな範囲を世界だと思わないようにしたいです。
・太田さんの人に寄り添う姿勢が感じられました。
小さな世界からの出方が分からず、苦しんでいただろう木村さんの心境を思うと胸が苦しくなります。
太田さんの言葉が、苦しんできた多くの人に届くことを願います。
[文・構成/grape編集部]