カメラが故障し、涙する女性 店員のおじさんがとった行動は…
2020年5~8月にかけて、ウェブメディア『grape』では、エッセイコンテスト『grape Award 2020』を開催。
『心に響く』と『心に響いた接客』という2つのテーマから作品を募集しました。
『grape Award 2020』心に響くエッセイを募集!今年は2つのテーマから選べる
今回は、応募作品の中から『私にぴったりのカメラに出会うまで』をご紹介します。
これは、とある小さな中古カメラ屋さんの話である。
私は、その前日に、銀座のカメラ屋さんで、中古のフィルムカメラを購入した。私はずっと、フィルムカメラが欲しくて、何ヶ月も色々と調べ、詳しい知人に相談もしていたが、なかなか踏ん切りがつかないまま、東京中のカメラ屋さんを巡っていた。
しかしある日、銀座のショーウィンドウに並んでいたカメラが目に止まった。値段は一万円。
かわいらしいデザインと、あまりない機種という物珍しさで、思わず衝動買いしてしまった。
翌日、私は通りがけの写真屋さんで、ネガフィルムを購入した。カメラ初心者の私は、写真屋のおばさんに、フィルムの入れ方を教えてください、とお願いした。
おばさんは、「珍しい機種ね」