引っ越すたびに『クリーニング店』を必ずチェックする女性 理由に、胸がジーン
2020年5~8月にかけて、ウェブメディア『grape』では、エッセイコンテスト『grape Award 2020』を開催。
『心に響く』と『心に響いた接客』という2つのテーマから作品を募集しました。
『grape Award 2020』心に響くエッセイを募集!今年は2つのテーマから選べる
今回は、応募作品の中から『わたしの町のクリーニング屋さん』をご紹介します。
心温まる接客と聞いて、まっさきに思い浮かんだのは、わたしの住む町にあるクリーニング店だった。
大学進学を機に実家のある田舎を出てから、東京や名古屋にひとり暮らしをしてきたが、引っ越しの度にまず探す場所の一つは、近所にあるいい感じのクリーニング店である。
ここでは、これまでお世話になったクリーニング店の中でも一番思い出深い、実家の町のあるお店のことを話そう。
そのお店の名前は、まるクリーニング(仮)と言う。小さな田舎町なので、周辺に住む人々のほとんどがまるさんにクリーニングをお願いしていたと思う。
私の家族も常連で、週末になると父のスーツや兄と私の学生服を出しに行っていた。
まるさんの大きな特長は、きかせすぎくらいにきいたパリっとした、というよりバリバリの糊である。