くらし情報『コロナで職を失った派遣社員 ある社員の『ひと言』に、息をのんだ』

コロナで職を失った派遣社員 ある社員の『ひと言』に、息をのんだ

※写真はイメージ

2020年5~8月にかけて、ウェブメディア『grape』では、エッセイコンテスト『grape Award 2020』を開催。

『心に響く』と『心に響いた接客』という2つのテーマから作品を募集しました。

『grape Award 2020』心に響くエッセイを募集!今年は2つのテーマから選べる

今回は、応募作品の中から『心にしまう』をご紹介します。

コロナで思いがけない不況となった。外車ディーラーで派遣社員として働いていた私は、朝が来れば自然と目がさめるように、抵抗する間もなく職を失うことになった。

20代前半で結婚し、離婚し、就職することなく、あてもなくふらふらとしていた私は、「そろそろ自分のやってみたかった道に踏み出そう」そう思って、本が好きだという単純だけれど素直な気持ちで、どうにか出版社で働くことができないか探し、ほんの小さな一歩として(週2日のアルバイトだけれど)出版社で働けることになっていたので、不幸中の幸いだった。

そして、ディーラーで働くのも、残り1ヶ月となった。じとじとと雨が降り続く、長い長い梅雨だった。


私がいなくなることを、社員のみんなは口を揃えて「寂しい」

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