観光バスのバスガイドをする女性 上司から呼び出され、クレームかと思ったら…?
2020年5~8月にかけて、ウェブメディア『grape』では、エッセイコンテスト『grape Award 2020』を開催。
『心に響く』と『心に響いた接客』という2つのテーマから作品を募集しました。
『grape Award 2020』心に響くエッセイを募集!今年は2つのテーマから選べる
今回は、応募作品の中から『観光バスでの一期一会』をご紹介します。
私は観光バスのバスガイドをしている。
バス車内でのご案内はもちろん、観光地での下車説明やお食事会場へのご誘導もお仕事の一つ。
とにかく観光の仕事に就きたいとバスガイドになったはいいが、その後は苦労の連続。とにかく暗記がつらく、観光地の原稿が出てこなくてもバスは進んでしまう。苦労を共にした同期もやめてしまい一人寂しく研修はとても大変だった。
ゴールデンウイークになり忙しくなるとついに独り立ちの時。今まではお客様がいない研修ばかりだったため始めはすごく緊張していた。あたりまえだが、いつも同じペースで進んでいるわけではないため止まってほしくない信号に引っかかったり、観光地に近づくにつれて渋滞でバスが進まなかったり、覚えたての原稿で間をつなげるのはすごく大変だった。