20歳の誕生日に浮かれる男性 母に「産んでくれてありがとう」とメールをすると…?
2020年5~8月にかけて、ウェブメディア『grape』では、エッセイコンテスト『grape Award 2020』を開催。
『心に響く』と『心に響いた接客』という2つのテーマから作品を募集しました。
『grape Award 2020』心に響くエッセイを募集!今年は2つのテーマから選べる
今回は、応募作品の中から『母からのメール』をご紹介します。
みなさまは、自分の20歳の誕生日のことを覚えていますか。
当時、私は大学2年生でした。実家を離れ、大学の近くで一人暮らしをしており、それはもう自由気ままな日々を送っていました。
誕生日当日、私は朝目を覚ますと共に、得体の知れない期待をまとい、強く高揚しておりました。20歳という人生の節目を迎え、「大人になった」ということが、嬉しくてたまらなかったのです。
授業の合間や、昼食中など、友人に20歳になったことを自ら伝えてまわりました。実際の生活で、変わったことなどひとつもありません。
急に社会の知識がついたり、精神的に落ち着いたりすることももちろんなく、ただ今までと同じように時が流れているだけです。大人になった実感もありません。