誰かの役に立つこと、それはいつか自分も助けられるということ
吉元由美の『ひと・もの・こと』
作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。
たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。
人はいつか自分の言葉、行いに出会う
「人はいつか自分の言葉に出会う」…というよく言われる言葉があります。因果応報とも、情けは人のためならず、とも言うのでしょうか。
悪口を言えば、どこかで悪口を言われる。相手を批難した同じ言葉をいつか言われる。反対に、ポジティブな言葉を心がけていると、ポジティブな状況が開けてきます。めぐりめぐって自分の元に還ってくるというわけです。
これは言葉に限ったことはありません。ずいぶん前にこんなことがありました。
まだ娘と手をつないで歩いていた頃ですから20年近く前のことです。
散歩をしていたとき、雨がポツポツと振り出し、次第に雨脚が強くなっていきました。雨宿りをしようにも、そのような場所がありません。
急いで引き返そうとしたとき、透明のビニール傘を2本持っておじさんが歩いてきました。