クリスマス・リースの輪に込められた、人々の祈りに思いを馳せる
始まりも終わりもなく、永遠に回り続ける。幸福がいつまでも続きますように、という願いがこめられています。
リースに常緑樹が使用されるのには、豊作を願うという意味があるそうです。また赤い柊の実には太陽の光、リボンには魔除けという意味がこめられています。松ぼっくりや姫リンゴは、神へ捧げ物の象徴だそうです。
殺菌作用、抗菌作用がある常緑樹の葉を玄関に飾ることで魔を除けることを願いました。これは、お正月のしめ縄飾りと同じ意味合いです。
また端午の節句では菖蒲や蓬などを使って薬玉飾りを飾ります。
菊の節句とも呼ばれる重陽の節句に、薬玉と同じように芳香を放つ茱萸袋(しゅゆふくろ)に取り替えたそうです。
無病息災、魔を除ける、農作物の豊かな実りを願い、古の人たちは西洋でも日本でもこのような飾り物を祈るように作っていたのでしょう。おそらく、体験的に知っていたのではないかと思います。この地球上の遠く離れた地で、人間は共通の感性、知識を持っていた……。これはすごいことですね。
一年前は飛行機に乗ればどこへでも飛んでいけたのに、今は簡単に行くことはできません。そして、コロナ禍は人と人との距離を離しただけでなく、心をも分断しているように思えます。