過ぎ去った年月に思いを馳せるように、生きてきた時間を振り返るときがいつか来る
吉元由美の『ひと・もの・こと』
作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。
たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。
晩秋の広場にて
晩秋の休日。わんこの散歩で近所のケヤキ並木広場へ向かいました。そこは車の通らない広々とした並木道で、近隣の人々の憩いの場です。ところどころに落ち葉がこんもりと山になっていて、幼い子どもたちが落ち葉に埋もれるようにして遊んでいます。
雪をかけ合うように落ち葉をかけ合い、そのふわふわ、かさかさとした感触を楽しむように踏んで歩いて。そんな子どもたちを見守る若いお父さん、お母さんのまなざしは優しく、そんな親子の姿をベンチに座っている老夫婦が微笑ましく見つめている。
少し離れたベンチからその光景を見ていたら、なんだか泣きたくなりました。なんて平和な日常の光景。
そして抱きしめたくなるほど懐かしい思い出に。
娘が赤ちゃんだった頃から、よくこの広場まで散歩したものです。