駅にあった大量の空の鉢植え 貼り紙には「申し訳ございません」と書かれており…?
「申し訳ございません」
そんな貼り紙とともに空の鉢植えがたくさん置かれていたのは、大阪府大阪市にあるJR天王寺駅。
駅員が頭を下げるイラストとともに描かれていた謝罪文に、思わず足を止めて読んでしまうことでしょう。
何に対して「申し訳ございません」と頭を下げているのかというと…。
キレイなお花たちは本日『日向ぼっこ』に出かけています。
日没頃には戻ります。キレイなお花を維持するためには必要不可欠なので、ご理解お願いいたします。
たくさんの花たちを駅のホームで日向ぼっこさせているため、鉢植えが空だったことを謝罪していたのでした!
本来なら、たくさんの花が飾られている光景を目にできる天王寺駅。
しかし、花に日光を当てることは大切です。
駅員たちが丁寧に花の世話をして、この美しさを保っていました。
駅員たちは、医療従事者たちへの想いが花に込められているからこそ、ここまで大切に育てているのでしょう。
天王寺駅に置かれたたくさんの花。実は、『BLUE FLOWER ACTION』と呼ばれている医療従事者を想うフラワーアクションの1つです。
大阪府内の特定のフラワーショップで花を購入後、自宅に生花を飾り、写真とメッセージで新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)の患者の治療を行う医療従事者に、感謝の気持ちを伝えようという取り組み。
2021年2月24日の昼時点でInstagramには270件以上の投稿があり、大阪府下の44のフラワーショップが参加しています。
活動に共感し、参加したい方はオリジナルバッグがもらえる!
『BLUE FLOWER ACTION』への参加方法は、大阪府内の特定のフラワーショップで、花を購入後、Instagramに医療従事者への感謝のメッセージと花を飾った写真を以下の3つのタグをつけて投稿します。#ずっと頑張ってくれてありがとう
#ブルーフラワーアクション
#bluefloweraction
特定のフラワーショップは、『BLUE FLOWER ACTION』のウェブサイトで確認することができます。
共感した人には『カバンカ*カビンカ』という、花を持ち帰る時の袋として使用でき、花瓶にもなるバッグがもらえますよ!
また、メッセージの募集はすでに終了していますが、大阪の病院・駅へメッセージ付きの花鉢の寄贈も行っています。
これから、あと2か所の病院への寄贈が待っているのだとか。
この企画は、コロナ禍における花の需要にも関係していました。
担当者に話を聞くと、花の価値を改めて考えた時に自分たちにできることに気が付いたといいます。
病院から届いた嬉しい言葉とは
――企画のきっかけは?
まず、コロナ禍での背景で、「花緑にかかわる自分たちに何ができるか」というのがきっかけです。
「花の価値って何?」と改めて考えた先に、人が祈る時、いつもそばに花があることに気が付きました。
そして、コロナ禍で長期的に緊迫した環境で頑張っている医療従事者の方々へ、「祈りや想いを、花やメッセージで伝えるアクションならばできるのではないか?」と思い、始めました。
――背景に『フラワーロス』の問題もあったのか。
そうですね。結婚式をはじめ、リアルな現場でのイベントが中止・縮小されたため、花の生産~流通~小売までに困っていた背景はありますね。
――医療従事者などから反響はあった?
プランターを寄贈した病院からは、 「感染予防に対する対応が厳しくなり、医師・看護師をはじめ、それぞれのスタッフが、いつも以上のストレスを抱えながら勤務しています。メッセージ付きの鉢で、励まされると思います」といったメールが届きました。
また、「植物や応援メッセージを見ることで働く職員も忙しい中、心が癒され仕事の意欲も高まると思います。素敵な活動をありがとうございます」といった声も寄せられています。
―参加者からの声は?
Instagramの投稿に、「ずっとコロナウイルスと戦っている医療従事者の方への感謝を込めて。感謝の気持ちは忘れていません」「医療従事者の皆様に感謝。
コロナウイルスに負けませんように」などの声が寄せられていました。
ほかにも「この瞬間も、コロナウイルスとの戦いの最前線に立ち、沢山のものを犠牲にして社会を守ってくださっている医療従事者の皆さまに心から感謝申し上げます」といった感謝の声もあります。
特に印象的だったのが、自分の家族などが医療従事者の方からの「ありがとう」でした。
花を自宅に飾ることで、気分も明るくなることでしょう。
医療従事者への想いとともに、『BLUE FLOWER ACTION』に参加してみてはいかがですか。
grapeでは、コロナ禍における企業や人々の奮闘を紹介する記事を、特集という形でまとめています。よろしければご覧ください。
grape『日本がんばれ応援団』特集
[文・構成/grape編集部]