「電車で泣いた」「本当にありがとう」 羽生結弦の『言葉』に感謝の声
2021年3月11日で、東日本大震災発生から10年が経ちます。
この地震に見舞われ被災をした一人、フィギュアスケーターの羽生結弦選手。
同日サンケイスポーツは、羽生選手が被災した人々へ向けてつづった『メッセージ』を公開しました。
羽生結弦「でも、やっぱりいわせてください」
震災から10年を経てもなお、故郷へ戻ることができない人や行方が分からない人も多くいます。
仙台市の自宅が全壊し、自身も避難生活を経験したという羽生選手。
さまざまな心の傷を負いながら、日々生きる人たちへこのようなメッセージを贈っています。
最近は、あの日がなかったらとは思わないようになりました。それだけ、今までいろんなことを経験して、積み上げてこれたと思っています。
そう考えると、あの日から、たくさんの時間が経ったのだなと、実感します。
こんな僕でもこうやって感じられるので、きっと皆さんは、想像を遥かに超えるほど、頑張ってきたのだと、頑張ったのだと思います。すごいなぁと、感動します。
数えきれない悲しみと苦しみを、乗り越えてこられたのだと思います。
(中略)
本当に、10年間、お疲れ様でした。
10年という節目を迎えて、何かが急に変わるわけではないと思います。
まだ、癒えない傷があると思います。街の傷も、心の傷も、痛む傷もあると思います。
まだ、頑張らなくちゃいけないこともあると思います。
簡単には言えない言葉だとわかっています。
言われなくても頑張らなきゃいけないこともわかっています。
でも、やっぱり言わせてください。
僕は、この言葉に一番支えられてきた人間だと思うので、その言葉が持つ意味を、力を一番知っている人間だと思うので、言わせてください。
頑張ってください
あの日から、皆さんからたくさんの「頑張れ」をいただきました。
本当に、ありがとうございます。
僕も、頑張ります
サンケイスポーツーより引用
羽生選手は、復興に向けて懸命に生きてきた人々へ、簡単にはいえないことを理解しつつも、「頑張ってください。
僕も、頑張ります」という言葉を改めて贈ったのです。
震災だけではなく、世界という舞台でさまざまなプレッシャーや厳しい練習に耐えてきた羽生選手。
誰よりも「頑張れ」の持つ力を知っている、羽生選手だからこそいえる言葉に、ネット上ではさまざまな声が上がっています。
・電車の中で読んでいて、涙が出そうになりました。まだまだ復興の途中。一歩ずつですね。
・あの時から「頑張れ」って言葉が嫌いでした。でも、羽生くんの「頑張れ」は何か違うものを感じますね。
ありがとう。
・羽生さんの頑張る姿に、どれだけの人が励まされたことか…。失ったものは元には戻らないけど、少しずつ前へ進んでいきたいと思えました。
10年が経過してもなお、被災した人々は、あの時の傷跡と向き合いながら生きています。
私たちがやるべきことは、震災の経験を風化させることなく、次の世代へ正しくつなげていくことだといえるでしょう。
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何を言えばいいのか、伝えればいいのか、分かりません。
あの日のことはすぐに思い出せます。
この前の地震でも、思い出しました。
10年も経ってしまったのかという思いと、確かに経ったなという実感があります。
オリンピックというものを通して、フィギュアスケートというものを通して、被災地の皆さんとの交流を持てたことも、繋がりが持てたことも、笑顔や、葛藤や、苦しみを感じられたことも、心の中の宝物です。
何ができるんだろう、何をしたらいいんだろう、何が自分の役割なんだろう
そんなことを考えると胸が痛くなります。
皆さんの力にもなりたいですけれど、あの日から始まった悲しみの日々は、一生消えることはなく、どんな言葉を出していいのかわからなくなります。
でも、たくさん考えて気がついたことがあります。
この痛みも、たくさんの方々の中にある傷も、今も消えることない悲しみや苦しみも…
それがあるなら、なくなったものはないんだなと思いました。
痛みは、傷を教えてくれるもので、傷があるのは、あの日が在った証明なのだなと思います。
あの日以前の全てが、在ったことの証だと思います。
忘れないでほしいという声も、忘れたいと思う人も、いろんな人がいると思います。
僕は、忘れたくないですけれど、前を向いて歩いて、走ってきたと思っています。それと同時に、僕にはなくなったものはないですが、後ろをたくさん振り返って、立ち止まってきたなとも思います。
立ち止まって、また痛みを感じて、苦しくなって、それでも日々を過ごしてきました。
最近は、あの日がなかったらとは思わないようになりました。それだけ、今までいろんなことを経験して、積み上げてこれたと思っています。
そう考えると、あの日から、たくさんの時間が経ったのだなと、実感します。
こんな僕でもこうやって感じられるので、きっと皆さんは、想像を遥かに超えるほど、頑張ってきたのだと、頑張ったのだと思います。
すごいなぁと、感動します。
数えきれない悲しみと苦しみを、乗り越えてこられたのだと思います。
幼稚な言葉でしか表現できないので、恥ずかしいのですが、本当にすごいなと思います。
本当に、10年間、お疲れ様でした。
10年という節目を迎えて、何かが急に変わるわけではないと思います。
まだ、癒えない傷があると思います。
街の傷も、心の傷も、痛む傷もあると思います。
まだ、頑張らなくちゃいけないこともあると思います。
簡単には言えない言葉だとわかっています。
言われなくても頑張らなきゃいけないこともわかっています。
でも、やっぱり言わせてください。
僕は、この言葉に一番支えられてきた人間だと思うので、
その言葉が持つ意味を、力を一番知っている人間だと思うので、言わせてください。
頑張ってください
あの日から、皆さんからたくさんの「頑張れ」をいただきました。
本当に、ありがとうございます。
僕も、頑張ります
2021年3月
羽生結弦
サンケイスポーツーより引用
[文・構成/grape編集部]